ナンシーはロレーヌ地方の中心都市である。日本ではエミール・ガレのガラス工房があった都市ということで、ナンシー美術館よりはガレ作品を所蔵するナンシー派美術館の方が有名かもしれない。実際、ナンシー美術館のショップで日本人と知るや、「ナンシー派美術館に行ったか?」と尋ねられたし、ロレーヌ博物館では日本の「ナンシー派美術館展」ポスターがオフィスに貼ってあるのを見かけた。だが、私の目的はあくまでもCARAVAGGIO作『受胎告知』のある「ナンシー美術館」にあった。
駅に程近いホテルからナンシー美術館へは歩いて行ける距離だった。10分ほど歩くと、黒色鉄柵に金の装飾が眩しいスタニスラス門が見えてくる。ポツダムのサンスーシ宮殿の門に似ていると思った。門をくぐるとナンシーの中心ともいうべきスタニスラス広場に出る。広場に面してナンシー美術館はその重厚な佇まいを見せていた。
もし、『受胎告知』が貸出されていたら…という不安と、会えるのだという期待とが交錯したドキドキ気分のまま入館する。建物の重厚な外観とは違い、館内は白で統一された意外にモダンな造りになっており、外光も取り入れた明るい展示空間を創り出していた。入り口でもらった館内図をチェックしながら、1階の近代・現代美術は後回しにして、さっそく2階のCARAVAGGIO『受胎告知』をめざして進む。2階階段を上ったところに居た館員に展示場所を尋ねると、すぐ隣の広々とした部屋にその絵はあった…。
駅に程近いホテルからナンシー美術館へは歩いて行ける距離だった。10分ほど歩くと、黒色鉄柵に金の装飾が眩しいスタニスラス門が見えてくる。ポツダムのサンスーシ宮殿の門に似ていると思った。門をくぐるとナンシーの中心ともいうべきスタニスラス広場に出る。広場に面してナンシー美術館はその重厚な佇まいを見せていた。
もし、『受胎告知』が貸出されていたら…という不安と、会えるのだという期待とが交錯したドキドキ気分のまま入館する。建物の重厚な外観とは違い、館内は白で統一された意外にモダンな造りになっており、外光も取り入れた明るい展示空間を創り出していた。入り口でもらった館内図をチェックしながら、1階の近代・現代美術は後回しにして、さっそく2階のCARAVAGGIO『受胎告知』をめざして進む。2階階段を上ったところに居た館員に展示場所を尋ねると、すぐ隣の広々とした部屋にその絵はあった…。