花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

文体練習

2005-02-20 03:50:28 | 読書
「地下鉄のザジ」の作者レーモン・クノーの「文体練習」を読み始めた。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4255960291/ref=pd_sr_ec_ir_b/249-6581990-2677910
1頁に収まるような思わず笑ってしまうようなつまらない内容なのだが、それを99通りに書き換えたところがこの本・クノーの凄さである。すなわち99の文体だ。

私の自説は文体=人格である。ということは、クノーは99の多重人格を演じてみせたことになる。その99の人格が1つのストーリーを違った視点と主観と文体で各々語る。フランス人らしく時に辛らつで、時にウィットに富み、更にばかばかしく、きどったり、ふざけたり、戯曲風だったり...もう、ニヤリと笑うしかない。

まぁ、思うに、真実だって相対的なものだし、自分にとっての真実と、他者にとっての真実とが違っていることなんて多々あることだ。大体1+1=2だって数学的には真実なのかもしれないが、Rock的には違うし(笑)。ミック・ジャガー+エリック・クラプトンが組めば凄い曲ができるか...と言えば、倍以上の素晴らしいものができるかもしれないし、1.5いや1以下のつまらないものができるかもしれない。ああ、つまらない例をだすのが好きな花耀亭なのでお許しあれ。

ということで、クノーの本は頭をシャッフルしてくれる、真面目にも斜めにも読める本なのである。日本語に翻訳した訳者も本当に大変だったと思うけどね(^^;