出光美術館で「茶陶の源流―和のうつわ誕生」展を観た。久しぶりに面白い企画展に巡り会えたような気がする。
茶陶を今までの中国からの唐物を源流とする視点とは違い、中世京都で作られていた土器(かわらけ)の系譜に連なるものとする。中世王朝の宮廷儀式や饗宴などで使われた飲食用の土器は、ロクロを使わない手づくねであり、桃山時代の楽家代々や江戸初期本阿弥光悦から尾形乾山に至る京都の名工による手づくねの茶陶に引き継がれて行ったのではないかと言う。中世土器や名工による茶陶の数々は、茶道を知らない私にも、なるほど!と思わせるほど十分に面白く勉強になるものだった。
さて、今回の展覧会の圧巻は、なんと言っても野々村仁清・作「色絵芥子文茶壷」であり、同じく芥子の咲き競う狩野宗眼重信・筆「麦・芥子図屏風」だった!
仁清の壷に咲く豪奢な紅芥子と柔らかな筆致の緑の茎葉、金と銀の配置の妙も素晴らしく、いくら眺めても飽きないものがある。そして、今回一番のお気に入り「麦・芥子図屏風」は酒井抱一の特別展示「春夏秋冬草花図屏風(?)」をなにやら吹き飛ばしてしまうほどの新鮮な驚きとなった。右の麦図と左の芥子図、その対比の面白さ、芥子図の鮮やかに咲き揃う可憐な色彩、その観察に基づく装飾性あふれる構図は琳派とは一味違う現代性を感じさせるものがある。こんな作品に巡り会えるから美術館巡りはやめられない(笑)。茶陶の源流を探りながら、素晴らしい美術品に触れられた久々にヒットの展覧会だった♪
茶陶を今までの中国からの唐物を源流とする視点とは違い、中世京都で作られていた土器(かわらけ)の系譜に連なるものとする。中世王朝の宮廷儀式や饗宴などで使われた飲食用の土器は、ロクロを使わない手づくねであり、桃山時代の楽家代々や江戸初期本阿弥光悦から尾形乾山に至る京都の名工による手づくねの茶陶に引き継がれて行ったのではないかと言う。中世土器や名工による茶陶の数々は、茶道を知らない私にも、なるほど!と思わせるほど十分に面白く勉強になるものだった。
さて、今回の展覧会の圧巻は、なんと言っても野々村仁清・作「色絵芥子文茶壷」であり、同じく芥子の咲き競う狩野宗眼重信・筆「麦・芥子図屏風」だった!
仁清の壷に咲く豪奢な紅芥子と柔らかな筆致の緑の茎葉、金と銀の配置の妙も素晴らしく、いくら眺めても飽きないものがある。そして、今回一番のお気に入り「麦・芥子図屏風」は酒井抱一の特別展示「春夏秋冬草花図屏風(?)」をなにやら吹き飛ばしてしまうほどの新鮮な驚きとなった。右の麦図と左の芥子図、その対比の面白さ、芥子図の鮮やかに咲き揃う可憐な色彩、その観察に基づく装飾性あふれる構図は琳派とは一味違う現代性を感じさせるものがある。こんな作品に巡り会えるから美術館巡りはやめられない(笑)。茶陶の源流を探りながら、素晴らしい美術品に触れられた久々にヒットの展覧会だった♪