花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

宮城県美術館「横山華山」展の超サクッと感想(^^;;

2019-05-21 21:40:53 | 展覧会

宮城県美術館「横山華山」展を観た感想を超サクッと

http://kazan.exhn.jp/

美術ド素人なもので、横山華山をこの展覧会で初めて知ってしまった💦

「横山華山(よこやまかざん)(1781/4〜1837)は、江戸時代後期の京都で活躍した絵師です。       諸画派に属さず、画壇の潮流に左右されない自由な画風と筆遣いで人気を博しました。 曾我蕭白(そがしょうはく)に傾倒し、岸駒(がんく)に入門した後、呉春に私淑して絵の幅を広げた華山は、多くの流派の画法を身につけ、作品の画題に合わせて自由自在に筆を操りました。」(公式サイトより)

出展目録は ↓ である。

http://kazan.exhn.jp/pdf/list_miyagi.pdf

オープニングから、曽我蕭白《蝦蟇仙人図》と横山華山《蝦蟇仙人図》が並び、華山が蕭白をほぼ模写して描いているのが面白い。細部設定をちょっと変えているのがご愛敬かも。華山の横山家本家が蕭白のコレクター(クライアント)だったらしく、蕭白作品(超個性的だし上手いしねぇ)を身近に観ていると影響を受けてしまうのは仕方がないだろうなぁとも思う。

展示作品には岸駒や呉春風作品もあり、華山が器用で上手い画家であるのが「見ればわかる」。今回の見どころである《祇園祭礼図巻》の緻密な風俗描写や、肉筆浮世絵風の美人画など観ても結構好ましいし

ボストン美術館や大英博物館所蔵作品も展示されていたので、外国人好みの作風とも言えるかもしれない。現代の私から見ても、目に良くわかりやすい。その器用&上手過ぎが明治以降忘れられた画家になってしまい、どうやら近年「再発見」されたようだが、まぁ、評価というのは時代により変わるしね。

で、私的に一番気に入った作品は、紙本木版摺《三猿図》(大英博物館所蔵)で、いわゆる「見ざる、聞かざる、言わざる」がユーモラスに描かれているのだが、そのシンプルで的確な猿の造形表現が実に現代的であり、更に、技量の秀でた彫師と摺師の技が、猿の毛並みの力強いリズム感を余すところなく再現していて、版画とは言え、眼が喜んでしまった

それにしても、当時の京都画壇はフィレンツェ・ルネサンス的に多くの優れた絵師が活躍していたし、その水準の高さは今回の展覧会を観ていても了解できる。でもね、時代の評価軸というものは変わり易いものだけど、やはり独自性や強い個性が無いと時代の波に埋もれてしまうのだろうなぁ、ということもわかったような気がしたのだった