Reflections

時のかけらたち

弥生歌舞伎座公演 ・・・ Kabuki theater in March

2021-03-20 23:51:00 | art

3月9日

3月の歌舞伎座公演は初めての菊五郎と吉右衛門、仁左衛門と玉三郎を見に行くだけと思っていましたが、講演内容を確認して熊谷陣屋だったのですごい組み合わせだったことに間近に気がつき驚いていました。歌舞伎の代表作が詰まったこの公演で私のキャパシティを超えていてクールダウンするのに何日かかかりました。

能の敦盛しか知らなかった私は、歌舞伎のストーリーの展開に驚き、主役4人の絡み、心の動きがすごかったです。予習をしていかなかったのもドキドキしていいものですね。気がついたら目の周りに涙がたまっていました。仁左衛門の直実と孝太郎の相模の掛け合いもまるでギリシア悲劇を見ているようで素晴らしかったです。

久々に聴く三味線の音色が美しかったです。

菊五郎の色気が漂う雪景色の中の儚い人間模様に、歌舞伎の様式美の吉右衛門の石川五右衛門。隅田川の玉三郎の美しさと豪華なプログラムでした。、

 

玉三郎は歌舞伎では別格と言う感じがします。重力のないその舞は魅力的です。幽玄な世界に引き込まれます。

最近ひざの具合が悪い私はとうとう正座することができなくなり、今はほとんど回復しましたが、玉三郎の重い衣裳をつけての立ったり、座ったりの舞にすごいと思いました。まだ二十歳のころ、整体の施術に通っていたことをその場に居合わせたKさんよりお聞きしていたことを思い出しました。想像できないくらいの努力の結果の舞なのですね。

今回はAプロ、Bプロとありましたが、明日Bプロの地唄舞を一人で見に行きます。一番見に行きたいのが玉三郎の地唄舞だから、ちょっと歌舞伎の道からはそれるかも。

 

第二部

一谷嫩軍記

一、熊谷陣屋(くまがいじんや)
  熊谷次郎直実
源義経
熊谷妻相模
梶原平次景高
堤軍次
藤の方
白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清
仁左衛門
錦之助
孝太郎
松之助
坂東亀蔵
門之助

河竹黙阿弥 作

二、雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)

直侍

浄瑠璃「忍逢春雪解」

  片岡直次郎
三千歳
寮番喜兵衛
亭主仁八
暗闇の丑松
按摩丈賀
菊五郎

橘三郎
橘太郎

第三部

一、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
  石川五右衛門
右忠太
左忠太
真柴久吉
吉右衛門

種之助
幸四郎

Aプロ(4・5・6・7・8・9・10・12・13・14・17・18・19・23・24・25・26・29日)

二、隅田川(すみだがわ)
  斑女の前
舟長
玉三郎
鴈治郎

 


Bプロ(15・16・20・21・27・28日)

  上 雪(ゆき)
二、下 鐘ヶ岬(かねがみさき)
〈雪〉


〈鐘ヶ岬〉

芸妓


清姫

玉三郎


玉三郎

一、熊谷陣屋(くまがいじんや)

戦乱の世の無常が胸を打つ、重厚な時代物

 源平争乱の時代。源氏の武将・熊谷直実が、戦から自らの陣屋に戻ってきます。そこには、国元にいるはずの妻の相模が、息子小次郎の初陣を心配して訪れていました。直実は小次郎の様子と、平家の若き公達・敦盛を討ったことを明かしますが、そこへ敦盛の母藤の方が現れたので、直実は戦の模様を物語ります。やがて源義経がやって来て、敦盛の首実検が行われますが…。
 熊谷直実の武将としての生き様、そして戦乱ゆえの悲劇が描かれ、世の無常さ、人生の儚さが胸を打つ義太夫狂言の名作です。「平家物語」の世界を大胆に脚色した、重厚な時代物のひと幕をご堪能ください。

二、雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)
粋な小悪党と傾城の色模様を描く、黙阿弥の傑作

 雪の降り積もる夜。入谷の蕎麦屋にやって来たのは、御家人崩れの直次郎。悪事を重ね追われる身となった直次郎は、江戸を離れる前に恋仲の三千歳にひと目逢おうと身を潜めています。按摩の丈賀の話を聞き、直次郎は三千歳のもとへ向かいますが…。
 江戸の蕎麦屋の風情が垣間見える前半から、清元の名曲に乗せて描かれる粋な小悪党・直次郎(直侍)と傾城・三千歳の艶やかな色模様が描かれる後半まで、みどころの多いひと幕です。幕末から明治にかけて、数々の名作を生み出した大作者・河竹黙阿弥の傑作にご期待ください。

第三部

一、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
大盗賊石川五右衛門がみせる、絢爛豪華な舞台

 桜の咲き誇る、南禅寺山門の楼上。天下の大盗賊、石川五右衛門が煙管をくゆらせながら景色を眺めています。そこへ飛んできた一羽の白鷹がくわえた血染の遺書から、五右衛門は、自らが真柴久吉に討たれた大明国の宋蘇卿の遺児であることを知ります。やがて楼門の下を一人の巡礼が通りかかりますが、この巡礼こそ真柴久吉で…。
 「絶景かな、絶景かな」で始まる石川五右衛門の名ぜりふで有名な人気の場面です。豊臣秀吉の命令で釜煎りの刑に処された大泥棒を描いた奇想天外な物語を背景とし、絢爛豪華な大仕掛けに、様式美あふれる舞台は、歌舞伎の醍醐味を堪能できるひと幕です。

二、隅田川(すみだがわ)(Aプロ)
斑女の前の母性愛、幽玄の美

 隅田川の畔。行方不明となった我が子の消息を求めて旅する斑女の前は、渡り舟の舟長と言葉を交わすうちに、息子が幼くして息絶えたことを知ります。斑女の前は、息子の幻を見て、その姿を狂おしく追い求めるのでした…。
 清元の叙情的な旋律に乗せて、錯乱しながら我が子を求める母の姿に哀切が漂います。能の「隅田川」をもとにした、幽玄美に満ちた舞踊をご堪能ください。

二、上 雪(ゆき)(Bプロ)
冬の夜に沁みいる、切ない恋の思い出

 俗世を離れて仏門に入った芸妓が、独り寝に思い出すのは昔の恋人のこと。今夜と同じ冬の夜、男の訪れを待ちながら、ひとり過ごした日に思いを馳せ…。
 大坂・南地の実在の芸妓をモデルにつくられた江戸中期の曲を、昭和に入り、地唄舞の普及に大きく寄与した舞踊家・武原はんが、独自の工夫と表現により洗練させた作品に基づいています。上方らしい優艶さにあふれる舞台をご覧いただきます。

二、下 鐘ヶ岬(かねがみさき)(Bプロ)
清姫の恋の執念、幻想的な舞踊

 美しい桜の下。そこへ現れた若く、高貴な女・清姫の亡霊が、恋の執念や艶やかさなど、かつての恋を回想しながらしっとりと舞い踊ると…。
 恋する安珍を釣鐘ごと焼き殺した「安珍清姫伝説」の後日譚として成立した「道成寺もの」の代表作、長唄の大曲『京鹿子娘道成寺』。その詞章を用いた情緒あふれる舞踊を、象徴的な釣鐘の下、繊細な味わいの地唄舞でお楽しみいただきます。

 

久しぶりに菊五郎ファンのAさんと一緒です。

 

歌舞伎から文楽、落語、能など日本の古典芸能に詳しい、Kさんと。

 

March 9  2021   Ginza

 

今日(3月20日)は同じく録画に撮っていた小三治のドキュメンタリーを見て、与え続ける人、小三治の魅力に勇気づけられました。古典芸能を伝える人々には頭が下がります。

 

 

 

コメント (2)
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