1月3日
観世清和に興味を持ったのは2013年のNHKのスイッチインタビュー*という番組で内田樹との対談を見てからです。
もうずいぶん時がたってしまっていますが、いつか豊穣や天下安泰を祈る能「翁」を見たいとずっと思い続けて
いました。やっとそのチャンスが巡ってきました。
何百年の歴史を積み重ねて表現するすごさとか、そのころ観世清和のインタビュー記事とか目につくものはよく読んで
いつか見てみたいものだとずっと憧れを持っていました。
今回は時間がたちすぎてしまったというか、まずだいぶ年を取られた観世清和氏に驚きました。憧れが強すぎて
愛を振りまく翁のその650年の重みをそこまで受け取ることができませんでした。神楽に始まってこういう芸能は
祈りだということがよくわかります。そして命の息吹を感じました。
新しい年の初めにふさわしい神への舞の奉納を見ることができたのは、気持ちが引き締まる思いでしたが、
もう一度見ないといけないと思いました。自分のキャパだけしか受け取ることができませんでした。
最後までずいぶんと時間がかかりましたが、途中退席する人もいる中、全部鑑賞しました。
観客はお着物の方も多く、落ち着いた素敵な着物が多く見られました。ほとんどが高齢者でしたが
中に若い男性もいたのは邦楽関係者なのかなと思いました。
音もなく出てくる能楽師、そして突然終わる舞台。ときに眠くなったり・・・
初めて能を見たときに衝撃的だった大鼓の亀井広忠が「翁」で出ていたので、前回の演目とは違うものを
見れて良かったです。
私は能の音楽が好きで大鼓や鼓、そして最初は悲しい笛が喜びと命の躍動に変わっていくところなどが
好きです。
他は梅若実の声がとてもよかったかな。
今までの能鑑賞のレヴュー
初めてお能を見たのは2016年10月宝生能楽堂で「安宅」その時に圧倒されたのが大鼓の亀井広忠
2018年の2月の能楽の水鏡というイベントで「羽衣」 日経ホール この企画は素晴らしかったです。新しい能の形
偶然ですが、両方ともシテは若い宝生流宗家、宝生和英でした。この時のトークと能は面白かったです。
ここで知り合った方の紹介で教育関係者へのワークショップ敦盛に行ったのが3月 宝生能楽堂
6月5日 日経能楽鑑賞会 浅見真州 「井筒」 国立能楽堂
6月9日 松謳会 「羽衣」 観世能楽堂
2019年10月 眞友会 第46回 能と狂言の観賞会 須磨夢幻 坂真太郎 「松風」
この日に選んだ着物はお正月らしく宝尽くしの柄に同じくお正月によく締める黒字の帯
久しぶりの袋帯で焦りました。
Jan. 3 2022 Ginza