1月14日
昨年クリスマス・イブのムジカーザでの北村朋幹に続いて浜離宮での新年のコンサート。
とても豊かなコンサートでアンサンブルとしては庄司紗矢香+オラフソンと並ぶくらい素晴らしかったです。
コンサート前に陽がさんさんと注ぐ中での浜離宮の散歩をしてそれだけで思わず微笑んでしまう
幸せな一日でした。昨日の後半雪で荒れた天候の後に春の訪れを感じさせる一日でした。
浜離宮朝日ホールは浜離宮恩賜庭園の目の前といういいロケーション。
これでは梅が咲きだした浜離宮に寄らないわけにはいきません。
午前中に図書館に本とCDを返してそのまま大江戸線1本で築地市場に行きました。
浜離宮庭園には早くも春が来ていました。
梅のいい香り~ それだけで音楽。
梅にメジロまで・・
椿にも来ていたのですが、高いところにいて写真は撮れませんでした。
梅に2羽来ていて、ラッキーでした。
公園内ではいろいろな鳴き声が聞こえてきて、シジュウカラや
スズメではなさそうな鳥がいました。
裏手からコンサートホールに行きました。
ホールロビーからも公園が見えます。
初めての浜離宮朝日ホール。
前から5番目の左。ピアニストの手が見えるいい位置です。
郷古廉(ヴァイオリン)、北村朋幹(ピアノ)
プログラム:
ドビュッシー: ヴァイオリン・ソナタ
ルクー: ヴァイオリン・ソナタ ト長調
シェーンベルク: 幻想曲 Op.47
R.シュトラウス: ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18
アンコール:
マーラー
「若き日の歌」第1集より 第2曲 思い出
ドビュッシーの曲の最初の一音から北村朋幹の静かな音色が響きました。この音。
音楽の中に自分が融け込んで意識を失いそうになります。一番前の席で早くも寝ている人がいました。
郷古廉のヴァイオリンも素晴らしく、N響のゲストコンサートマスターで聴いたことがありますが、
若いのにやり手だと思っていた印象でした。ところがこのソリストとして聴いて、その音ののびやかで
美しいことに驚きました。ルクーの曲は初めて聴きましたが、甘い音色で始まるこの曲を北村朋幹の
ピアノが情熱的に時にダイナミックに応えて支えます。ヴァイオリンがよくないと始まらないのですが、
この表情を変えながらヴァイオリンを支える北村朋幹さんのピアノが素晴らしいアンサンブルを作って
いました。シェーンベルクのような苦手な作曲家のものもスパイスが効いて、自分のものにしているので
聴きやすく感じます。最後のリヒャルト・シュトラウスの曲も色彩豊かで楽しませてくれました。
浜離宮恩賜庭園で自然の風に吹かれ、コンサートホールで音楽の風を浴びました。
終わった時のお二人の顔にやったという充実感を感じました。近くの席だとそういうことも伝わってきます。
お疲れさまと言いたくなります。
北村朋幹という音楽家からは目が離せませんが、新たに郷古廉という素晴らしいヴァイオリニストを知ることが
出来て夢のような一日でした。
音楽を聴きながら、貧しいながらも心豊かに育ててくれた両親に感謝をして、亡き友にも、今私を豊かに
してくれる友達にも思いが広がりました。浜離宮の庭を散歩しながら生きている自分を感じました。
Jan. 14 2024 Hamarikyu