Reflections

時のかけらたち

誕生日に ・・・ on my daughter's birthday

2016-06-06 23:53:31 | music
6月3日




娘の誕生日にちょうど娘のピアノの先生だった大八木恭子さんから案内を
いただいたコンサートに一緒に行くことにしました。
娘は土日が休日ではなくウィークディに休みがあり、この日に休日を当てて、私は休暇を取りました。午後4時から
荻窪の名曲喫茶ミニヨンのギャラリーで行われたチェンバロコンサートです。ドイツ音楽はもちろん、ショパンや
ロシアの曲、ジャズのアドリブまでこなす素敵な方です。
前回のゴールドベルク変奏曲には行きたかったけど行けませんでした。


二つ折りのプログラムは、左から縦に下まで演奏されて右側の列に行きます。
時代を追った感じだと思いますが、ワトーやラ・トゥールとの絵画のイメージに
結びつけたり、興味深い話とともに奥の深いコンサートでした。
休憩のときのドリングは赤ワインで。




ピアノは打楽器というけれど、これは弦楽器。初期の曲はまるでリュートです。
チェンバロは音の強弱が付けられなく、レジスターで音色や強弱をその都度調整するそうです。
今回は2段の鍵盤でなく一段でした。三鷹の市民ホールでは2段のすばらしいチェンバロで演奏されていました。

メモを取っていなかったので違うかもしれないけれど、ラモーがショパンやリストにつながっていく話とか
フォルクレ親子の確執もなんだかデーモニッシュということでまるでカラヴァッジョを連想させそうな・・
マルシャンも国王より偉かったみたいで、おもしろい人で、曲の出版をしなかったので楽譜が残っていないとのことで
先生もインターネットで楽譜を探して大変だったとのことでした。
そんなマルシャンの楽譜がバッハのところから発見されたとかで、マルシャンがライバルのバッハを
訪ねた時があって、なんとその年に作曲されたシャコンヌがなんとマルシャンのシャコンヌにどことなく
似ているのです。ヘンデルはバッハに楽譜を見せなかったとか・・そんな話でバッハが大好きですが
他の人の作品も参考にしていたのですね。ちょっと引いてしまったけれどなかなか人間臭いところがあるのね。
なんてフランス組曲を聴きながら思ってしまいました。














日本人が作ったというチェンバロの装飾も素晴らしかったです。
ふたの裏にも絵が描いてありました。











次回はイギリスのルネサンス期の音楽だそうで、これもまた楽しみです。
大八木先生の物事を追及するすごさに感服しました。目力がすごいです。
私にはこんなに本気になって追及しているものはないように思う。



Sの誕生日はランチをカンティーニでお願いして、特別にセットしてもらいました。
バースディ・ケーキもランチの時間なのに特別に作ってもらいました。
妹も一緒にお祝いしました。





スープの写真撮り忘れている。とても優しいお野菜たっぷりのリポリータというスープでした。










パスタはシェアしました。手打ちの生パスタです。




メインは仔羊








とても軽くておいしい特別なケーキでした。








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ミュージック・ポートレイト 園子温×二階堂ふみ

2016-06-03 23:56:01 | music


久々にちょと見てみたいミュージック・ポートレイトだったのでチャンネルを回してみた。
この監督と女優の組み合わせで「ヒミズ」という映画が話題になり、チェックはしていたけれど
見には行かなかった。黒木華と並ぶ今注目の女優さん。


5月26日放送 園子温×二階堂ふみ 第1夜

出演は、実力派女優・二階堂ふみ。子供のころに初めて観た映画の衝撃から高校生で映画の主役を演じるまで。
エルヴィスからエアロスミスまで幅広く選曲。音楽との運命的な出会いや、音楽に助けられた時の心情を語ります。
そして、鬼才・映画監督の園子温。役者の力を極限まで引き出すことで知られる園監督の原点に迫ります。
ニルヴァーナからバッハまで、実にバラエティーに富んだ音楽を紹介。魅力あふれる映画作品も紹介します。

園子温 選曲
1曲目 映画『ジョーズ』メイン・タイトル
2曲目 「ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」 ザ・ビートルズ
3曲目 「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」 ニルバーナ
4曲目 「アリオーソ“片足は墓穴にありてわれは立つ”」 バッハ
5曲目 「空洞です」 ゆらゆら帝国

二階堂ふみ 選曲
1曲目 「ミス・ア・シング」 エアロスミス
2曲目 キャラバンの到着 映画「ロシュフォールの恋人たち」より
3曲目 「HERO(ヒーローになる時、それは今)」 甲斐バンド
4曲目 「好きにならずにいられない」 エルヴィス・プレスリー
5曲目 「No Fun」 セックス・ピストルズ



6月2日放送 園子温×二階堂ふみ 第2夜

園子温 選曲
6曲目 「レクイエム」 モーツァルト
7曲目 全力歯ギシリLet’s GO! 映画「地獄でなぜ悪い」より
8曲目 「Don’t wanna fight」 アラバマ・シェイクス
9曲目 「リュリ氏のトンボー」 マラン・マレ
10曲目 「アクロス・ザ・ユニバース」 ザ・ビートルズ

二階堂ふみ 選曲
6曲目 「Changes」 デヴィッド・ボウイ
7曲目 「青春の瞬き」 椎名林檎
8曲目 「I’m so free」 ルー・リード
9曲目 La strada 映画『道』より
10曲目 「さよならを教えて」 フランソワーズ・アルディ


この2回の放送を通じてかなり共感できる曲もあったけれど、その人のその時に出会った曲というので
それぞれの人の人生のスト―リィがあるけれど。久しぶりに聴くアルディも良かったけれど
プレスリーの声ってこんなに良かったのかと改めてCan't Help Falling In Loveに引き込まれた。
ロシュフォールの恋人を出した二階堂ふみ。私はシェルブールの雨傘を思い出した。「道」も心にしみる
忘れられないフェリーニの名作。アリオーソは「木靴の樹」でも流れていた。
デヴィット・ボウイのChanges もとてもよかった。
一番衝撃的だったのがビートルズのアクロス・ザ・ユニバース。まるで自然にJohnの中から詞が生まれ、それに
メロディーがついてその歌が生まれる瞬間を聴くように新鮮だった。この曲がこんなによかったことを初めて
感じた。D.ボウイもカバーしていたのね。
この出だしの詩とメロディーの何と自然なこと。再発見した素敵な曲。
アルディ―もプレスリーもボウイもすべて新鮮に感じることができたのが嬉しかった。




Across the Universe : The Beatles

  Words are flowing out like endless rain into a paper cup,
  They slither wildly as they slip away across the universe
  Pools of sorrow, waves of joy are drifting through my open mind,
  Possessing and caressing me.

  Jai guru deva, om
  Nothing's gonna change my world,
  Nothing's gonna change my world.
  Nothing's gonna change my world.
  Nothing's gonna change my world.

  Images of broken light which dance before me like a million eyes,
  They call me on and on across the universe,
  Thoughts meander like a restless wind inside a letter box
  They tumble blindly as they make their way
  Across the universe

  Jai guru deva, om,
  Nothing's gonna change my world,
  Nothing's gonna change my world.
  Nothing's gonna change my world.
  Nothing's gonna change my world.

  Sounds of laughter shades of life are ringing
  Through my opened ears inciting and inviting me
  Limitless undying Love which shines around me like a
  million suns, and calls me on and on
  Across the universe

  Jai guru deva, om,
  Nothing's gonna change my world,
  Nothing's gonna change my world.
  Nothing's gonna change my world.
  Nothing's gonna change my world.

  Jai guru deva
  Jai guru deva
  Jai guru deva
  Jai guru deva

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静かな反戦映画 … Torneranno i prati

2016-06-02 22:59:51 | movie


今日が最終日の「緑はよみがえる」をまた滑り込みで昨日仕事の後で用事を済ませた後、岩波ホールまで見に行きました。
画像を探しているときに、エルマンノ・オルミ監督の日本に対するメッセージの動画をみつけました。
まさにユネスコ憲章の序文です。そして日本に対する平和のメッセンジャーとなってほしい期待感。
人間の愚かしさとそれでも緑はよみがえると希望を持ち続けて。心から心へ、時代から時代へとつないでいかなければならないこと。
戦争がどれだけ個人の人間性を踏みにじるものか。
オルミ監督の映画はそれでもどこかで神を待っているそんな感じがします。地球上の生物で意味のない殺戮を繰り返すのは
人間しかないというのはどうしてなのかと思ってしまう。赦すことができなかったら、人間とは何なのかと母に対する
手紙に綴る。ほとんどモノクロに近くて音楽もなく、人間の歌う声と時々バンドネオンの教習に満ちた曲がかかるだけ。
ドキュメンタリーのようでもあるが、一人一人の人間を描いている。ドキュメンタリーは時にナンバーだけのこともあり、
この映画の中でも死者の数を言う時、数でなく名前で報告しろと指揮官が言うセリフがあった。山田洋次監督はファンタジー
でみせたが、こちらは本当に戦場という他の戦争映画では描かないような寒いじめじめした非人間的な環境で日常生活を送る
兵士と美しい自然の対比で胸に突き刺さるような映画だった。どちらも普通の家族を愛する人間が普通の暮らしを奪われていく。





学生時代に読みたかった「夜と霧」をやっと読むことにした。新訳ではなくあのころからあった旧訳で。
たまたま映像の世紀の再放送があり、第二次世界大戦から今までをやっていたけど、アイヒマン裁判ではアイヒマンテスト
という実験があり、アイヒマンはどこにでもいる普通の人間でだったとアンナ・ハーレントが語っていた。閉ざされた状況
の中では人間は上司の命令にそむくことができなくなる。加害者にでも被害者にでもどちらにもなりうるのが人間だ。
映像の世紀では他にヴィット・ボウイが亡くなった時、ドイツの外務省から電報が送られたということも知った。
あのベルリンの壁崩壊の一つのきっかけを作った国境でのコンサート。





久しぶりに買う気になった「婦人之友」にもこの映画のことがテオ・アンゲロプロスの映画とともに紹介されていました。
この小さな冊子は祖母から母へ、母から私へと受け継がれたもの。美術の紹介がすばらしく、また、聖書の言葉もいまだに健在。
中学生の頃から家にあったので読んでいて、夏休みの美術の宿題でのスクラップでは先生に褒められたことが嬉しかったかな。
ほとんど婦人の友から取った。メアリ・ラヴィンもナタリア・ギンズブルグもジブラーンの詩(神谷美恵子訳)も皮肉的なヘッセの
短編もみんなこの本から知った。短編の掲載がすばらしかった。映画の批評は辻邦生だったこともあったし。
編み物もこの本を見て作ったり。
コメント (2)
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アンコールはバッハ ・・・ Sheep may safely graze

2016-06-01 23:06:17 | music
昨日はシリーズチケットのコンサート。今脚光を浴びている指揮者ネゼ=セガンを聴きに
仕事が終わって家に戻り、夕食の支度をしてから上野まで行きました。

2016年5月31日
フィラデルフィア管弦楽団
アーティスト
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン





Yannick Nézet-Séguin カナダ生まれのこの指揮者は名前からすると
ルーツは東欧なのかしら・・

プログラム:
ベートーヴェン/マーラー編曲:弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」(弦楽合奏版) (セリオーソは serious という意味)
 ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

なかなか個性的なオケでした。
音の洪水の中にいたみたいで、こういうコンサートに行きたいと思っていました。
再び図書館からドヴォルザークのチェロコンツェルトを借りて来て、聴いていたのですが
ロストロポーヴィッチのは昔の録音のせいか音が良くありませんでした。






フラディルフィア管弦楽団は弦も管楽器も良かった。それを引っ張っていく指揮者も。
日本の山田和樹とかネゼ・セガンとか北欧のサロネンとか次世代のいい指揮者も育って来ていますね。

ベートーヴェンのマーラーテイストの音も素敵でしたが、疲れていたのか
拍手の寸前で一瞬の眠りから醒めました。
ブルックナーはあの饒舌な交響曲。初めて聴いたのはカラヤンが日本に来た時、FMで。
その時聴きに行ったのは「田園」だった。すごい緊張感のある田園だったけれど
フルートがすごくよかったことを覚えています。

アンコールの選び方も何か指揮者のパーソナリティを感じて、また重いコンサートの最後の気分を戻すような
その選曲が嬉しいものです。
今回のアンコールはアンコールが一番よかったと思うようなそんな感じです。
メータのカヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲やパーヴォ・ヤルヴィーは最近シベリウスの
「悲しみのワルツ」ばっかり。

アンコールは何とバッハです。前日にヘルムート・リリンクのパイプオルガンでコラールをちょうど聴いていたところでした。
疲れていたので横になって聴いていました。

『羊は安らかに草を食み』は、バッハ作曲のカンタータ『楽しき狩こそわが悦び』BWV208の第9曲。
通称『狩のカンタータ Hunting Cantata』。『Sheep May Safely Graze』とも題される。
今回は「ストコフスキー版」と掲示されていました。

この安らぎに満ちた曲は以前レオン・フライシャーのピアノでブログにアップしています。
2009年12月に。あっという間に年月が過ぎ、恐ろしい速さです。今後に残された時間もこの間の長くて3倍弱。

音の流れの中に浸ることができた、永遠に浸っていたいようなコンサートでした。
何か時間を超えてしまいそうな。

来週は何年ぶりかのヒラリー・ハーン。今回はバッハから現代音楽までのプログラムで
楽しみです。



この日のコンサートで素敵な和服姿の方を見かけました。紫と黒の縞でつづれ織りの白地の帯をしていました。
籠を下げて、帯はお太鼓が低く、きりっとしていました。池田の店主の方も帯枕はできるだけしない方向にと
話していました。



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