碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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NEWSポストセブンで、「TVマンと芸能人の結婚」について・・・

2016年12月31日 | メディアでのコメント・論評



NEWSポストセブンで、「テレビマンと芸能人の結婚」について話しました。

TVマンは芸能人と結婚できるって本当? 
照明マンはモテる説も

今年も芸能界でさまざまなカップルが結婚した。芸能人同士がやはり多いが、少数だが毎年、必ずいるのが女優や女性タレントとテレビ関係者との結婚だ。今年6月には、アイドリング!!!の元メンバー、谷澤恵里香(25)がテレビ制作会社に勤務する男性との結婚を発表した。2015年にはキンタロー。(34)が、11年にはギャル曽根(30)が、谷澤同様に制作会社勤務の男性と結婚している。シェリー(32)も14年に日本テレビの社員と結婚した。

このような話を聞いて、「芸能人と付き合うためにテレビマンになるぞ!」と思う若者がどれほどいるかは分からないが、実際によくある話なのか、気になるところではある。

元テレビプロデューサーで上智大学教授(メディア論)の碓井広義さんに尋ねてみた。

「一般論として、打ち合わせやリハーサル、本番、さらに番組によってはロケやナレーションなど、ある期間に濃密な時間を過ごすスタッフと出演者が親しくなりやすいということはいえます。実際に、誰と誰が付き合っているという話を聞くこともありました。女性スタッフは少ないこともあり、いずれも男性スタッフ、女性芸能人という組み合わせです。

私の身近なところでは、当時は局アナなのでまだ芸能人ではありませんでしたが、私が参加していた制作会社『テレビマンユニオン』の後輩ディレクターが元TBSの小島慶子さん(43)と結婚しました。背が高く、筋肉質でハンサムな男です。私とは年が離れているので詳しく聞いたわけではありませんが、同社が制作している『世界ふしぎ発見!』(TBS系)のミステリーハンターとして小島さんが出演していたこともあり、その縁で仲良くなったのでしょう。

『ふしぎ発見!』のロケでは、一週間くらいかけてジャングルの奥地に行くようなこともあります。通常、ロケのメンバーは、ディレクター、AD、カメラ、音声、ビデオエンジニアの5人くらいで、そこに出演者やその関係者が加わりますが、小島さんのような局アナの場合は通常一人で参加します。不慣れな土地で行動をともにした時に、小島さんが『頼れる人だな』と思ったのかもしれませんね」(碓井広義さん・以下「」内同)


二人のように結婚に至ればメデタシだが、一般企業でいえば男性社員が取引先の女性に手を出すようなもので、会社にとってはリスクも高い。恋愛禁止を通達されることはないのだろうか。

「決まりとしては聞いたことがありませんが、『商品に手を出すな』というのは暗黙のルールとしてあります。ただ、業界には女性芸能人と付き合うのを男の勲章と見る風潮もあり、破ったからといって悪く言われることもありません。

もちろん、暗黙のルールを守る人も多いですよ。私も地方ロケなどの際に、女性芸能人が同じホテルに泊まっていても、打ち合わせがあるからといって部屋に行くようなことは絶対にしませんでした。出来るだけオープンな場でやり取りしました」


基本的には自由恋愛ということだが、テレビマンと恋に落ちる女性芸能人はいずれもタレント。女優とは縁がないのだろうか。

「ドラマの撮影中はスタッフも常にバタバタしているので、女優さんと話せる機会はほとんどありません。女優さんの場合は待ち時間が長いので、共演俳優と仲良くなりやすいですね」

6月に結婚を発表した優香(35)と青木崇高(36)もドラマ共演がきっかけだ。女優狙いはハードルが高いといえそうだが、そんな中でも女優にモテる職種があるのだという。

「知り合いの照明マンが、ある女優さんと結婚しました。残念ながらその後、二人は離婚してしまいましたが、照明マンがモテるのには理由があります。10代20代の若い女優さんは、どんなふうに撮ってもきれいに映りますが、30代になると、照明一つで美しさがまるで違います。女優さんにとって、自分が美しく映るかどうかは照明マン次第なのです。私の知人は、その女優さんを美しく見せるためにひたすらいい照明を当て続けました。彼女も『いつも私にいい照明が当たっている』と感じて好意に気づいたのかもしれません。

恋愛までいかなくても、女優は照明マンに好かれていないといけないので、現場で女優からの差し入れが一番多いのも、照明部門でした(笑い)」


恋愛も職業選択も、個人の自由。どうぞご参考までに。

(NEWSポストセブン 2016.12.29)



毎日新聞で、「紅白歌合戦」についてコメント

2016年12月31日 | メディアでのコメント・論評



毎日新聞で、「紅白歌合戦」についてコメントしました。


紅白歌合戦
強まるバラエティー色、狙いは視聴率回復?

大みそかに放送される第67回NHK紅白歌合戦。昨年は8年ぶりに、1、2部ともに視聴率が30%台にとどまった(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。今年は、目玉のSMAP出演はかなわなかったが、バラエティー色をさらに強めて人気回復を図る構えだが、成否はいかに--。

30日、会場となる東京都渋谷区のNHKホールでリハーサルがあり、出場歌手が取材に応じた。東京都庁前から中継で出場するTOKIOの国分太一さん(42)は「NHKホールでは見せられないようなパフォーマンスとエンターテインメント性を見せられると思う」と自信を見せた。

出場歌手は全46組。矢島良チーフプロデューサーは選考基準を「今年の活躍、世論の支持、番組の企画演出に合致する歌手」と説明するが、国民的ヒットソングが少ない中、基準が見えにくくなっている。うち6組がメドレーを歌い、デビュー曲での出場もある。

一方、企画枠では今年海外で注目されたタレントの渡辺直美さんと「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」のピコ太郎さんがショーを披露。人気映画「シン・ゴジラ」も登場し、タモリさん、マツコ・デラックスさんもゲスト出演する。

審査員でも話題作りに余念がない。出場歌手の一人、星野源さんとドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS)でカップルを演じ、注目を集めた俳優の新垣結衣さんを選んだ。

こうした番組の変化について碓井広義上智大教授(メディア論)は「今年の活躍が明確ではない歌手は選ばないという努力は見られる」と評価する一方で「番組の哲学がなく、バラエティーなのか歌番組なのかわからない」と指摘する。

バラエティー色を強めていることについて矢島氏は「1年を締めくくる歌の祭典だが、テレビの祭典でもある。いろいろな要素から今年はこういう1年だったと振り返ってもらいたい」と話している。

放送は、総合テレビとラジオ第1で31日午後7時15分から。【須藤唯哉】

(毎日新聞 2016.12.30)

北海道新聞「2016年回顧 放送」で解説

2016年12月31日 | メディアでのコメント・論評



北海道新聞の特集記事「2016年回顧 放送」で、解説しました。


2016年回顧 放送
キャスター退任 報道の後退危惧

昨年来、政府や政治家から放送局への圧力とも取れる発言が続いている。2月に高市早苗総務相が、政治的に公平性を欠くと判断した放送局へ停波を命令す る可能性に言及し、民放の番組キャスター6人がこれに「表現の自由を保障する 憲法や放送法の精神に反する」と抗議する声明を出した。そんな中で3月、 NHKで23年間続いた国谷裕子キャスターの「クローズアップ現代」が終了。 TBS-HBC「NEWS23」から岸井成格アンカー、テレビ朝日-HTB 「報道ステーション」から古舘伊知郎キャスターが退任した。

いずれも鋭い批評で知られた3氏だけに、本紙に「放送時評」を寄せている上智大文学部新聞学科の碓井広義教授(メディア論)は「これでいいのか、と突っ込んで視聴者に考えさせるジャーナリズムが後退し、ニュース番組は政府が決めた結果を知らせるだけにならないか」と危惧する。「局のトップが口を出さなくても現場で『面倒が起きそうな報道はやめよう』と自主規制するようになれば、それは政権のメディアコントロール成功を意味する」と言い、放送が立ち位置を 固め直すことを期待する。

調査会社ビデオリサーチは関東地区で10月、リアルタイムの視聴率だけでなく録画した番組の再生も反映した「総合視聴率」の集計を始めた。また、NHKは地上波放送を2019年からネットで常時同時配信する方針を表明した。膨大なコンテンツを自由に見られる動画配信サービスが浸透する中で、出版界に電子書籍が登場したような変革の波が放送にも訪れている。

変革の姿勢を最も感じさせるチャンネルとして、碓井教授はNHKEテレを挙げる。障害者やマイノリティーのための情報バラエティー「バリバラ」では8月、民放のチャリティー特番に対し、障害者を使った〝感動ポルノ〟ではないかと疑問を提示。また、新トーク番組「ねほりんぱほりん」は痴漢冤罪経験者などさまざまな人たちの本音を人形劇の形で引き出すユニークな作りで注目された。「11年に教育テレビから呼称が変わり、総合でもBSでもない独特なポジションで挑戦的な番組を作ってきた努力が花開いている」と評価する。

ほか、話題を呼んだ番組では放送開始50周年の日本テレビ-STV「笑点」が司会を桂歌丸から春風亭昇太へ交代し、今後も番組が続くことを宣言した。NHKの大河ドラマ「真田丸」は史実に基づきながら大胆な省略やユーモアを交える三谷幸喜の脚本が光った一方、連続テレビ小説は「あさが来た」「とと姉ちゃん」「べっぴんさん」と実在人物がモデルの路線で人気を堅持。第4シリーズとなったテレビ朝日―HTB「ドクターX~外科医・大門未知子」は新たな登場人物を加えて高視聴率を保ち、TBS-HBC「逃げるは恥だが役に立つ」は、今どきの結婚観というテーマとエンディングの〝恋ダンス〟人気で社会現象化した。


道内局では、UHBが7月の参院選と今月の日ロ首脳会談に合わせ、テレビ番組と並行してネット独自の特番を制作して道外でも話題となった。ラジオでは、HBCとSTVが石狩管内とその近郊でワイドFM放送を開始。一方、地方ラジオ局の深夜番組では全国最長寿の45年半に及んだSTV「アタックヤング」と、韓流ブームに先駆けて韓国のポップスを15年間伝え続けたFMノースウェーブ「ビーツオブコリア」がともに3月で終了した。

テレビの黎明期から活躍した放送作家の永六輔さん、はかま満緒さん、名司会で知られた大橋巨泉さん、小川宏さんが亡くなった。(渡部 淳)

(北海道新聞 2016.12.28)