「私の家政夫ナギサさん」から学ぶ
プロフェッショナルとは何か?
先週、多部未華子主演「私の家政夫ナギサさん」が始まった。
製薬会社のMR(営業担当)である相原メイ(多部)は、専業主婦に不満を持つ母親(草刈民代)の影響で「仕事がデキる女性」を目指して頑張ってきた。その結果、部屋の中は散らかり放題。食生活も最低だった。
そんなメイを心配する妹の唯(趣里)が、家政夫の鴫野ナギサ(大森南朋)を送り込んでくる。ライバル会社の優秀なMR、田所(瀬戸康史)の出現でピンチに立たされたメイは、美しい室内とおいしい食事に癒やされつつも、自分の部屋に「おじさん」が出入りすることに抵抗感があり……。
多部は、昨年夏の「これは経費で落ちません!」(NHK)に続き、ドンピシャの配役。28歳の働く独身女性のリアルを等身大で演じて完璧だ。また大森の「レジェンド家政夫」も堂に入ったもので、雇用主の喜ぶ顔を見るのが自身の喜びであることが伝わってくる。
大人になったら「お母さん」になりたいと言って、母親に叱られたメイ。「なぜ家政夫などしているのか?」とナギサに問いかけると、「小さい頃、お母さんになりたかったのです」と驚きの言葉が返ってきた。
プロフェッショナルとは、誇りをもって仕事をする人を指す。「家事」という仕事の意味や奥深さだけでなく、メイがナギサさんから学ぶことはたくさんありそうだ。
(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!!」2020.07.15)