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昨日は大学の入学式だった。
晴天。キャンパスの桜も満開。入学式日和で何より。
当たり前だが、新入生は皆“平成の子”たちである。
それはまた、“ゆとり教育の子”たちでもある。
今、全国の大学で、この“ゆとり教育世代”対応が課題の一つになっている。特に「基礎教育」だ。
本学でも、基礎教育の改革を進めている最中だが、実感するのは、「教育」と「時間」の問題である。
国が教育方針を決め、それが実践されたとして、結果や評価が出るのは何年か先になる。
たとえ「これはいかん、やめよう」とか「方向転換しよう」とか言い出しても、クルマじゃないんだから、すぐには止められない。曲がらない。
それに、方向転換してからも、また次の結果が出るまでに何年もかかるのだ。
国は「ゆとりでやれ」と言ったり、今度は「ゆとりはダメ」と言ったりするわけだが、それだって、いつ、どんなふうに変化していくか分からない。
振り回される、というか直接被害、いや影響を受けるのは、当の子どもたちだ。彼らは、自ら望んで「ゆとり」で過ごしたわけではない。いわば罪はない。
しかし、各大学が「基礎教育の見直し」という形で対応すべき“結果”が出ているのも事実だ。
うーん、「教育は国家百年の計」というくらいで、目先だけではない広い視野、もっといえば、しっかりした哲学が必要なのだと痛感する。
というより、国は、あんまりおかしな方針を立てないことですね。
たとえば、小学校の英語教育に対しても、相当疑問がありますぞ。
さてさて、入学したばかりの新入生、大学1年生に、オススメしたい一冊。
光文社から出ている『学生諸君!』だ。
まずは、先輩諸氏からのメッセージに耳を傾けてみていただきたい。
この本が面白いのは、著者名が「漱石・賢治・太宰・陽水ほか」となっていることでも分かる。
夏目漱石や宮沢賢治と並んで、寺山修司、吉本隆明、そして井上陽水まで入っているところが嬉しいではないか(笑)。
先人たちの言葉に刺激された上で、これからの4年間の、自分なりの方針を立ててください。
入学、おめでとう!
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