碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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ドラマとCMの“危険な関係”

2009年04月24日 | メディアでのコメント・論評

昨日発売の『日刊ゲンダイ』(4月24日付)に、ドラマとCMの関係についてのコメントが載った。

記事のタイトルは「連ドラ、CM、タイアップ出演のありがた迷惑」。

ドラマを見ていれば、何度かCMが入る。それは当然なのだが、そのCMに、ドラマの出演者が登場するケースが目立つのだ。最近は、特に。

記事は、なぜそうなってしまったのかを説明していく。

その主な理由は、スポンサー側にとっては“相乗効果”であり、テレビ局にとっては「御社のCMに出ている俳優・タレントが出演していますよ」と“セールス”しやすいからだ。

私のコメントとしては・・・

「ドラマを見ている視聴者は、物語の中に入り込んで役者が演じる役柄を楽しんでいるのです」

「それなのに、合間に流れるCMにも同じ役者が出ていると、いきなり現実に引き戻されてしまう」

「今にも死んでしまうかもしれない役なのに、CMでは明るく笑っていたり、ダーティな役なのに、CMではさわやかな好青年だったりするケースもあるから、興ざめです」

「テレビ局は、広告を売るために、なりふり構っていられないのでしょうが、視聴者を単なる消費者としてとらえるのはやめた方がいい」

「ドラマのCM放送のあり方を、改めて見直すべきです」


以前は、ドラマに出ている役者さんのCMを挿入することに、もう少し“遠慮”があった。

それが今では、「タダで見てるんだから我慢しろ」と言わんばかりに露骨、そして当たり前のようになっている。それはちょっと違うだろう。

ドラマファンのためにも、やはり一考が必要、と思うのだ。

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