果樹園の風

愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園です。
目指せ!楽しむ農業、楽しませる農業!

竜髭菜儂人とクレオメとタバコカスミカメ

2018年09月10日 04時51分18秒 | 日記・エッセイ・コラム
先日、豊橋百儂人の竜髭菜儂人こと北河くんの圃場見学をさせてもらった。
アスパラガスを本格的に作っているのを見るのは初めて。
整然とした温室の中に植えられているアスパラガスは緑色に輝いて見えた。
風通しの良さは彼の性格が垣間見られた瞬間でもあった。
細い葉で精一杯炭酸同化をして、根塊に栄養を蓄えながら収穫していく。
どことなく果樹栽培にも通じる理論がそこにあると思った。

上部が枯れた後、春になると根塊に蓄えた養分を目一杯使ってアスパラガスがどんどん出てくる。
この景色を想像すると農家としてはわくわくしてくるのがわかる。
私の作っている柑橘類も前年の貯蔵養分を使って花を咲かすからだ。
の一途なアスパラガスにかけるぶれない思いを少し離れた温室の片隅で聞き入り、
レジェンドへの道が見えたような気がする。
経験でしか本質を理解することができない人間の性、
きれい事を言っているだけでは世の中は変わらない。
正しいこととできることの見極めは、現場で働く人たちが一番よく知っている。
継続は力なり、そして足りていることを認識する前向きな考え方。
農の現場と乖離していくことを誰が変えていくか?
恩師の言った言葉がよみがえって来る。


見学の中、一番気になって学ばせてもらったのは温室内に植えられているクレオメ。
花言葉を「秘密のひととき」「あなたの容姿に酔う」と言い、
和名を西洋風蝶花、中国名を酔蝶花、英名をスパイダーフラワーというその花には、
タバコカスミカメの卵、幼虫、成虫が入り乱れて青春を謳歌している。
タバコカスミカメはタバココナジラミとミナミキイロアザミウマに対して
高い捕食能力を持った土着の天敵である。

私自身はクロヒョウタンカスミカメをなんとか無農薬レモンの温室に定着させようと
コバノランタナを植えて数年待っているのだがいまだ恋心は実っていないため、
忙しい中、北河くんに少々お裾分けをしてもらった
このところの超温暖化で害虫の発生サイクルは短くなり、また回数は増えている。
そんな中、この地域が遅れているのが天敵を活用した農法だ。
以前から河合果樹園が必死で取り組んできたことが、完全に問題の突破口となり、
本物すなわちこの地域のブランド力となることが、必然となってきている。

小錦草の下をTG4でマクロ撮影して見ると、似たようなカメムシがいることが判明。
老いた目をTG4で補い、感性を補完していきたいと思う。

河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/








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