明け方にかけての大雨は仕事を始める時間になって、
爽やかな西風が吹いてきて気持ちを和らげてくれた。
みかん園を見に行くと、脇にあるクロガネモチの木の周りを、
巣立ったばかりのツバメが採餌行動をとっている。
クロガネモチの花が風に舞わされて見上げる顔に当たるが、
ツバメの鮮やかな切り返しに気にならず。
みかんの木の脇には、だれが掘ったのかミドリガメの卵が破壊されている、
すべて中身は食べられていて、食べ方のうまさに感心する。
みかんの肥大期の今、
恵みの若葉雨と雨上がりの爽やかさに一句詠みたくなる朝となった。
巣立鳥西風に乗り羽を切り 橘風
早いもので実習生のボンちゃんが3年の月日を
お金には換えることが出来ない経験に変えて帰国することになる。
毎日が予測の付かない作業ばかりの河合果樹園で本当によく頑張ってくれた。
日本の文化に触れて、来日したときより顔も生き生きとして、
帰ったらきっと周りの人たちはその変化に驚くだろう。
日曜日には他の実習生とカンボジア料理を振る舞ってくれるそうだ。
こちらも週明けには日本での想い出作りに泊まりで行くことになっている。
お互いの気持ちの行き来が、目に見えない感謝へと繋がる瞬間だ。
日本の農業はどの方向に向かうのか心配だが、
ひとつ言えるのは豊かになりすぎた問題と
政治が農業をむしばむ現実をどう紐解くか。
謎は深まるばかりかも知れない。
無農薬レモンの実(5月27日撮影)