日が少しずつ長くなってきて、少し寒さを柔らかく感じるようになってきた。
加工に回すレモンやレモネーディアは長野へと綺麗になりにお出かけした。
毎朝、軽トラックの左ドアミラーではハクセキレイが尾っぽを振りながら、
生理現象を起こしているため、何ヶ月か雪が積もっているようになっている。
いつかはこの縄張りを引っ越してくれるだろうと黙認しているのだが、
番の二人はどこ吹く風状態。
軽トラックには申し訳ないが、もうしばらく様子を見ようと思う。
きっと命から素敵なプレゼントがあると信じて。
取引先から緊急の電話があり、
初恋レモン・レモネームを作っていただいているところが、
コロナによる諸事情で製造をやめになるという連絡。
初恋レモン・レモネーム(飴)はシュワッと溶けていく軽い食感が売りなのだが、
その食感はその人しか作ることができない技術らしい。
多くの皆さんにレモンという文字をぴったり当てはめる味だと
好評をはくしているだけにもったいないなと思うと同時に、
その人しかできない匠の技が継承されず消えていくのはもっと悲しい。
今の時間軸は結果を早くだそうという上にあるため、
身につけるのに多くの汗と時間をかける職は敬遠される。
まして社会の奴隷としてエシカルな部分はどこかに葬り去られ、
稼げない職業として森の中に隠されてしまう。
私の生業もそうであるため余計に思うところが多くなる。
誰か継承してくれる人が現れてほしい。
これから私の取引先への説明をしながら、
いつもよりたくさん作ってもらった最後の飴を大切にして行こう!
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