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遊びをせんとや

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評伝ゲルハルト・リヒター ~現代美術の巨匠~

2022-09-24 07:51:09 | ブックリスト
10月にリヒター展が豊田市美術館で開催される。

ゲルハルト・リヒター | 豊田市美術館

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豊田市美術館 |

 


今は東京の国立近代美術館で開催されている。

ゲルハルト・リヒター展

"現代アートの最高峰、ゲルハルト・リヒター。日本では16年ぶりとなる待望の大個展開催!近年の重要作品《ビルケナウ》など秘蔵作品初来日予定。2022年6月7日~10月2日...

 


以前に娘が東京のリヒター展に行きたいと言っていたが、私は「リヒターかー。」と思っていた。
現代美術は本当に難解。
観た目の美しさだけを味わっているだけでは充分鑑賞できたとはいいがたいと私は思っている。

でも「ビルケナウ」作品をサイトで観た時に「きれいだ。」と思った。そう思ったら行かないと。
東京まで出向く気はないので幸い豊田市美術館に巡回される。

11月に行く予定だ。

日曜美術館で「リヒター」の特集を観て彼の創作の過程を観ていたら俄然興味が出てきた。
アウシュビッツ・ビルケナウの収容所の様子を奇跡的に収容者が撮影した4枚の写真を元に作成された作品。

旦那が図書館でリヒターの評伝を借りてきた。
頼んで延長してもらって私も読んだ。

分厚い本だったが、あとがきを読むと膨大な量の評伝を大事なところだけ要約して少し付け足したと書いてあった。感情に流されず淡々と彼の制作を追っているのでわかりやすかった。
訳も良くてある程度すいすい読めた。
改めて彼の今までの制作方法がどのような意図でどんなふうに積み上げられてきたかが解った。
解って今度のリヒターの大規模展に臨めるには幸せだ。

リヒターの作品でフォトペインティングの作品の「モーター・ボート」や階段から降りてくるヌードの作品「エマ」なんかはどこかで観たような気がする。

後はオイル・ペインティングやアブストラクトペインティングの意味、制作過程なども少し理解できたとような気がする。

いつも出てくるマルセル・デュシャン
「あの大鴉、さえも」の竹内銃一郎の戯曲を訳も解らず観たなーと思う。(遠い目)

杉本博司展の時もデュシャンの「泉」の便器が出てきたし。

難しいことは解らないけれどスキージを使ったり、ナイフを使ったりして表現した偶然性とその時に起こった政治的な出来事例えば、9.11のグラウンドゼロ、ドイツ赤軍派事件などトラウマ(評伝にはだいたいそのように書いてあった)となって執拗にテーマとして追及する。その昇華された姿が作品だと私的には思う。だから凄い。

彼自身東ドイツのドレスデンで生まれ育ち、東西ドイツの分断も経験し、東ドイツを離れ、この激動の世紀を生き抜いた。
たぶん紛れもない美しさに彩られた古都だったドレスデンは第二次世界大戦で連合軍から壊滅的に爆撃を受ける。

伝記には日本で映画を撮影しようとしたらしいと言う事も書かれていて(それは頓挫したらしいが)豊島に大きなガラス作品もあり
ワコウ・ワークス・オブ・アートギャラリーでかなり前から毎年個展を開いていたという日本通。
そうなんやと言う感じ。

ということで楽しみです。11月豊田。




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