■■杉浦日向子の江戸塾 - 江戸情緒に学ぶ 江戸っ子と伊達 28
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■ 江戸っ子と伊達 28
江戸では、マイナス要因だと思われることをカッコよく見せられる人が「一番粋」なのだそうです。
例えば頭が禿げている人が、「あの人の禿はカッコいい」と言わせれば粋になるのです。マイナスをプラスにすれば良いわけで、おなじ禿げるのであれば、ユールブリンナーよろしく、つるつるの頭にしてしまうと「粋」になります。
昨今では、背が高くてイケメンな男性が持てますが、江戸時代には、遠くから目立ってしまうので「粋」ではなく「野暮」なのです。
「伊達男」という表現がありますが、服装が伊達であるということは、「バサラ」につながります。
伊達になるには、手ほどき書、すなわちマニュアルがありました。それを学ぶことによって伊達になれるのですが、「粋」というわけではありません。
やつれた感じが、逆に評価されるのが江戸の粋なのです。「滅びの美学」と言っても良いのでしょうか。
「滅び」という観点から魚など食べ物は腐る寸前がおいしいというのです。
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