ごっとさんのブログ

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医者の嘘という本を読みました 続

2014-11-25 11:19:38 | 健康・医療
以前”医者の嘘”という本の抗がん剤についてコメントしましたが、その続きで免疫療法についてです。
著者は「免疫療法は99%効果なし」と書いています。ずっと前ですが、このブログでがんの話を書いとき、がん細胞は自分の細胞が変化したものだから、免疫細胞が異物と認識できず、免疫系が働かないと述べました。その点からはこの著者の意見に賛成します。ただし若干ニュアンスが違うのは、免疫系細胞の一種であるNK細胞はがんを殺し、この細胞を使った免疫療法は効果があるとしています。

NK細胞によるがん治療については、30年以上前アメリカのNIHという研究機関から発表され、当時非常に注目されました。これがどういうメカニズムで効果が出るのか、免疫にはあまり詳しくない私が納得できるような説明はありませんでした。しかしその後かなり大がかりな臨床実験まで行ったようですが、どうも消えてしまったようです。そのほかにもCTLといった免疫細胞による治療など、がんの免疫療法はかなり研究されているようですが、どれも実用化に至っていないようです。

これはいわばまじめながんの免疫療法の研究ですが、日本で行われている免疫療法といわれる治療法は、ほとんど根拠のない怪しいものが多いようです。やはりいかにしてがん細胞を殺すべき異物と認識させるかが、最大の課題のようです。

10年ほど前発表された免疫療法で、私が注目したものがあります。これは患者さんのがん細胞と、骨髄細胞を混合して培養し、その骨髄細胞を患者さんに戻してやるという方法です。これであれば骨髄細胞が免疫系細胞に分化するときに、がん表面抗原を認識し、がんの抗体ができるはずです。そうすればこの抗体をもとに、患者さんのがん細胞は攻撃されるはずです。しかしこの方法の欠点は、がん細胞が必要、つまり手術の後でしかできない点、また骨髄細胞を取り出し培養するという大きな手間が必要となってしまいます。たぶんそういった理由で、この手法が一般化することはなかったようです。

ただし私も、免疫システムががん細胞を殺してしまうケースはあるような気がします。これは何の根拠もありませんし、このような免疫システムが働く人は、がんになりませんので、調査のやりようがありません。

以上のようにがん免疫療法は、多くの真剣な研究がされてはいるのですが、治療法につながるような結果は出ていないようです。それでもがんの根本的治療法は免疫を利用するのが一番であろうと期待しています。