内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

赤く色づいていく林檎たち ― 書斎の窓から

2015-10-04 02:39:07 | 写真

 まずはカメラを持つこと自体に慣れなくてはと、どこに出かけるのにもカメラを持っていく。近所に買い物に行くときも、大学に通勤するときも、リュックサックに入れていく。この点、EOS M3 にしてよかった。小さいし軽いから。大きかったら買い物になど持って行く気がしなかったことだろう。
 まだボタンやダイヤルの機能がほとんどわかっていないから、オートフォーカスにして、ただ構図だけを考えて撮っていたが、どうにもピントが甘くて面白くないのである。おそらく私が上手に使えてないだけの話なのだろうが、静止している被写体を撮っても、その対象の肌理が捉えられておらず、がっかりの連続である。
 このブログを日頃から読んでくださっている方から、素人にもわかるような丁寧なアドヴァイスを頂戴し、それに従って、マニュアルであれこれ設定を手探りで変えて見ながら、とにかく手ブレのないように気をつけつつ、ピントがちゃんと合った写真を撮ろうと、同じ被写体を何枚も連続して撮ってみた。その中には、少しましなのも交じるようにはなった。
 それと同時に気がついたのは、自然光は時々刻々と変化していくこと。それが連続して撮った写真をスライドにして見るとよくわかる。
 これらすべてのことをよく学ぶためにも、一年を通じて、同じ被写体をずっと撮り続けるという練習も必要なのだろう。そうすることで、様々に変化する条件の中で、同じ被写体がどんな表情を見せるのか、それに対してどういう設定をすればいいのかもわかってくるのだろう。
 書斎の前には、隣家の林檎の木の枝の一本がこちらの敷地にまで伸びている。その枝に実った林檎の実が日に日に赤く色づいていく。今日の一枚は、青く澄んだ空から降り注ぐ秋の陽射しの中、同じ林檎を何枚も撮った中の一枚。

(写真はその上でクリックすると拡大されます) 

 


クダラナ日記(3)― 日本で今時のJKSに流行るもの

2015-10-04 02:31:50 | 雑感

 講義で学生たちが退屈してきたときに、眠気覚ましのために小話をする。その小話の種のストックを作っておくために、日本で今時流行っているもの、特に若い子たちの間で流行っているものを日頃からネットでチェックしている(ご研究の合間によくそんなお時間がおありですこと、などと目くじらを立てないように。これも広~い意味での教育活動の一環なんですよ)。
 だから、私の同世代の日本人男性と比べると、フランスにいながらかなりそういうことに通じているほうであり、帰国しても、だいたいすんなりとみんなの話題についていけるし、私のほうがよく知っていたりすることもある。
 「今時の女子高生に必須アイテム、カラコンと二重テープ」という見出しの記事を、数カ月前だったか、ネットで見つけた。読み始める前に、なんだろうと訝った。カラコン? 空っぽのコンロ? そんなものJKSに流行るわけないし。ああそうか、カラーコンタクトの略か。と、こちらは読み始める前にあっさりと正解を出せた。
 ところが「二重テープ」が難関であった。まず、記事を読む前は、「にじゅうテープ」と読んでいた。何だろう? 両面テープのこと? でもそんなもの何でJKSの間で流行るの? いったい何に使うの? もう疑問符の渦のワンダーランドである。
 記事を読んでしまう前に、あくまでも両面テープの別名だという誤った(と後でわかる)前提から想像力を逞しくしてみた。おそらく、放課後、これを制服のスカートの裏に貼り付けて、たくし上げて丈を短くして、街に繰り出すのであろう、と(このとき私の頭の中には、有村架純主演『ビリギャル』のいくつかのシーンが浮かんでいた。断っておくが、私はこの映画を観ていない。見たのはネットの予告編だけである。因みに、どうでもいいことだが、私は吉田羊のファンです)。
 しかし、記事を読み始めてすぐに、この仮説は脆くも崩壊する。カラコンも二重テープも、「メイクに必須アイテム」とあるではないか。両面テープを顔に貼ってどうする? 両面とも接着面なのだから、その上に何か貼らなければ、ハエ取り紙みたいな役割しか果たさないではないか? 一体何を貼るのだ?
 駄目だ、これ以上は推測できん、と、記事の続きを読んだ。
 かくして学んだのである。「二重テープ」は、「にじゅうテープ」と読むのではなく、「ふたえテープ」と読み、一重まぶたを二重に見せるためのテープだということを。
 因みに、当時パリに留学中だった大学三年の娘が帰国前にストラスブールに遊びに来たときに、このテープのことを話題にしたら、自分も使っているとのことであった。

 序だが、日本のギャルたちよ、日本人の平面的な顔に全然合っていない、モスラの羽のようにバサバサ音がしそうなつけまつ毛だけはやめていただきたい。似合ってないです。滑稽です。あれを見ていると、「それで瞬きをバタバタさせて飛べるものなら飛んでみろ、モスラのように」と、喉元まで出かかる。
 もう一つ序に言うと、昨日の記事の話題の続きなのですが、あの自撮り棒っていうの、なんとかならないでしょうか。聞くところによると、ルーブル美術館では禁止になったそうな。そりゃそうだろう。名画の前であんな棒伸ばして、自撮りして他人の迷惑を顧みない輩が多いんだから。
 あれを見ると、つかつかと歩み寄って、その棒を奪いとって、「喝!」って頭をひっぱたきたくなりますよ(あの某テレビ局の妄言的野球解説者H氏といっしょにされたくはありませんが)。