内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

九月からの新学期のオンライン体制の準備開始

2020-05-09 17:23:28 | 雑感

 今、学年末の試験期間中で、日本学科でも来週末までまだいくつかの試験が残っている。もちろんすべてオンライン試験である。それが終われば教員たちは採点に取り掛かり、月末までに成績を事務に届け、六月初めに成績判定会議を行う。その会議もオンラインである。
 通常、秘書課がプリントアウトしてくれた全学生の成績一覧表に表示された各学生の合否判定と総合平均点を私が学年ごとにアルファベット順に読み上げていき、他の教員はそれを聴きながら自分の担当科目の点数に誤り・異常がないかチェックしていく。全学年で二時間ほどかかる。
 おそらく ZOOM を使うことになるが、成績表を共有画面にすると、万が一情報が外部に漏れないともかぎらないから、成績表を各教員にPDF版で予め送っておいてチェックしてもらうという方法を取ろうと思う。その方式の方が会議の進行も速く、問題があれば効率よく処理でき、間違いの発見もしやすい。
 三月半ばから準備期間なしに始めたオンライン授業・配信授業だったが、各教員それぞれに準備を重ねることでツールの使用にも慣れ、オンライン授業の利点にも気づいた。成績判定会議にも、オンラインの方が上記の理由からかえって好都合な点がいくつかある。
 五月は例年来年度前期の時間割作成を開始する時期であるが、それも今回は特例的な事態を想定しつつ準備に入らなくてはならない。昨日の国民教育大臣の会見によると、教室の授業とオンライン授業との組み合わせを現時点では優先的に考えているようだ。現状からすれば、これはもっともな判断であり、現場でもその線に沿って対応策を考えることになるだろう。
 特に多数の学生が集まる大教室での授業やプログラムは避けるべきだが、新学期授業開始直前の一週間は新入生たちのためのガイダンス・プログラムが目白押しで、それが教室でできないとなると、新入生たちが戸惑うことは避けられないだろう。たとえオンライン体制が九月までにより整えられたとしても、教室で一度も顔を合わせることなく、説明だけコンピューターの画面を通じて受けても、彼らにとっては、それこそ雲を掴むような話で、大学の雰囲気を体感することはできないだろう。
 毎年、学科オリエンテーションの直後に、質問のある学生たちが教員たちの前に行列を作るのが恒例になっているが、それも不可能となると、オリエンテーションとは別に機会を設け、少人数のグループに分けて面談することなども想定しておかなくてはならない。
 九月から日本の大学に留学する学生たちもいるが、これも受入大学によって対応が違うであろうから、それに応じでこちらも柔軟かつ迅速に対応を考えなくてはならない。
 夏休み中に感染が終息することを期待するのは現時点ではあまりにも楽天的に過ぎる想定であり、最悪の場合、授業及び学科の運営に関わる職務はすべてオンラインで滞りなく行うことができるような体制を夏休み前に整えておく必要がある。