内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

外出自粛令段階的解除開始後最初の週末の森の光景

2020-05-17 23:59:59 | 雑感

 今日はまさに五月晴れの一日でした。午後、自宅から自転車で15分ほどのところにあるロベルソーの森に久しぶりに行ってみました。ライン川のほとりに流れに沿って縦長に広がる五百ヘクタールほどのさして大きくはない森ですが、いたるところに樹齢百年を超す巨木が鬱蒼と茂っており、その下を自転車で走るのはとても気持ちよく、かつては毎週のように自転車で走り回っていました。
 森の入り口にあるプータレス城の周りの公園はいまだに柵で閉鎖されたままでしたが、森の中の自転車道兼散歩道は開放されていました。外出自粛令中確かめに来たわけではなかったので、十一日月曜日から再び開放されたのか、外出自粛令中も森には出入りができたのかどうかはわかりません。
 予想はしていたのですが、驚くほどの人出でした。もちろんパリ近郊の森とは比較になりませんが、ストラスブール市民にとっての憩いの場の一つであるこの森としては、いくら日曜日とはいえ、これほどの人が同時に森の中を散歩していることは、おそらく過去にはなかったのではないでしょうか。特に森の入り口にある駐車場から遠からぬあたりには、小さな子供を連れた家族が多く、その脇を自転車で追い抜くとき、あるいは向こうから来る家族連れとすれ違うときは、気をつけて速度を落とさなければならないほどでした。
 居住する県から百キロ以内と移動空間がまだ制限されていますが、アルザス地方を例に取れば、バー・ラン県とオー・ラン県の間であれば、百キロ以内にほぼすべての地域が収まりますから、許可証を持参しなくても車その他の交通手段で自由に往来・移動ができます。きっと観光で人気のある村や山などには多くの人たちが繰り出したことでしょう。
 八週間も息の詰まるような外出自粛令下にあったのですから、この週末に人々が一気に外に繰り出したのも無理からぬことだと思います。公共交通機関ではマスク着用が義務、一部のお店でもマスクを着用していないと入店を拒否されます(昨日購入したPCを取りに行ったFNACがそうでした)が、今日森の中をして歩いている人たちの中でマスクをいるのは少数でした。私もしませんでした。自転車で走っているかぎり、歩いている人たちの1メートル以内に接近することはそもそも危険ですからまずありませんし、森の奥まで行けば、ときどきすれ違う人があってもお互いに十分な距離を取ることができましたから、感染のおそれはまずなかったと言っていいでしょう。
 それにしても平時には感じない一種異様な「賑わい」ではありました。