フランスでは来週月曜日から外出制限が段階的に緩和されていきます。感染状況に応じて地方ごとに措置が異なります。
もともとウイルス感染拡大が限定的で患者数・死亡者数も少なく、医療機関にも余裕がある「グリーン・ゾーン」は、さっそく職場への復帰、学校の段階的再開、公園の開門などが実行に移されます。
他方、まだ入院患者数が多く医療機関が限界状況にある地方(私が住んでいるアルザス地方もその中に入っている Grand Est など)とパリ及びパリの周囲の県からなるイル・ド・フランスなど「レッド・ゾーン」では、中学・高校は閉鎖のまま、公園も閉鎖継続、テレワークでできる仕事はそのままそれを継続することが強く推奨されています。
パリおよびその周囲の地域では公共交通機関による移動に大きな懸念があります。いわゆる社会的距離(フランスでも、外出制限令発令当初は、英語の “social distancing” に倣って、« distanciation sociale » という言葉を盛んに使っていましたが、先月末辺りからでしょうから、それが « distanciation physique » という言葉に取って代わられるようになりました)を車内で保つことはまず不可能であり、そうなるとマスク着用が絶対条件になりますが、この条件の徹底した遵守がきわめて難しいと思われるからです。
公共交通機関における11歳以上の者のマスク着用は義務化され、違反者には135ユーロの罰金が課されますが、それでも違反者は出るでしょう。警備に当る職員と乗客の間の争いあるいは乗客同士の争いもありえないことではありません。
ストラスブールのような地方都市でも、路面電車の中で各人が一メートル四方の距離を取れるのは、よほど空いているときに限られます。これから天気のいい日が続きますから、みなできるだけ徒歩か自転車で移動するように心掛けるだろうと思います。私も路面電車には当分乗るつもりはありません。
来週以降、街に出る人がどっと増えるのは確実ですが、11日の時点で一般市民に十分にマスクが行き渡るかどうか、少なくとも私が住んでいるストラスブールではちょっと微妙なところです。住民税納税者およびその家族全員に市と県とがそれぞれ一枚ずつ無償で布製マスクを配布することになっていますが、生産が追いつかず、配布開始は20日以降になるようです。私自身は先月29日ドイツの会社に布製のFFP2マスクを注文しましたが、それが今週火曜日5日に届きました。
カフェやレストランはまだ全国的に閉鎖されたままですが、理髪店や美容院など、いわゆる濃厚接触が避けがたい職種でも営業再開されます。私も早く散髪に行きたいと思っているのですが、来週はどこも予約が殺到すると予想されています。試しに来週火曜日にいきつけの理髪店に電話してみようと思っています。
大学に関しては、どうしても必要がある者に限って、事前に許可を得た上で、建物内へ入ることが許されます。私はまったく必要がないので、このままテレワークを続けます。
この第一段階を今月末まで継続して、感染の再拡大が見られないようならば、緩和の第二段階に入るとのことです。