三月十七日に始まり八週間続いた外出制限令(自宅待機令)の段階的解除の第一段階が明日月曜日の午前零時に始まる。街の様子はどのように変わるだろうか。職場での仕事に復帰する人たちや学校への通学を再開する子供たちはどんな表情を見せるだろうか。この目で確かめてみたい。
今日日曜日は、外出制限「最後の一日」であったわけだが、午前十一時少し前にウォーキングのために外に出て、少し驚かされた。散歩している人やジョギングしている人がやたらに多いのである。確かに、この季節、気持ちの好天に恵まれれば外に出かけたくなるものだが、それにしても例年より目立って多い。
この約二月間、外での運動は一日一時間に制限されていたが、明日からはその制限も解除される。いたいだけ外にいていいのである。公共交通機関を利用するときや人の集まる場所ではマスク着用が義務化されているが、ウォーキングその他の運動の際にはマスク着用は義務でもない。
それでも、明日を待てずに、「前祝い」気分でつい外出したくなったのだろうか。特に興味深かったのは、親子と思われる人たちが一緒にジョギングしている姿が目立ったことである。特に中高生くらいの子供たちと一緒に走っている父親が多かった。
これは推測に過ぎないが、外出制限令以前、彼らは一緒に走ることなどなかったのではないだろうか。外出制限令によって強いられた不自由が彼ら親子に一緒に走る機会を与えた。明日からは、それぞれもっと自由に外出できる。学校閉鎖がまだ継続される中高生たちも、明日からはもっと自由に友だちと会えるようになる。それで、今日が一緒に走る「最後の一日」になるかも知れないから、とまで言えば言い過ぎだろうが、せっかく一緒に続けてきたジョギングだから、外出制限令下の最後の一日も一緒に走ろうじゃないかと父親が子供たちを誘ったのかも知れない。
明日、「もとの生活」に戻るわけではない。特に、私もそこに住んでいる「レッド・ゾーン」では、感染予防・拡大防止のために細心の注意を皆が払い続けなくてはならない。むしろ、明日からの方が、各自の責任と判断において市民として良識ある行動が求められるという点において、以前には感じることのなかった緊張を街中で覚えるのではないかと思う。