内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

ミネッティ弦楽四重奏団のハイドン弦楽四重奏曲Op.64-4、Op.74-3『騎士』、Op.76-5

2020-05-05 23:59:59 | 私の好きな曲

 クラシックの場合、「私の好きな曲」というカテゴリーとは別に「私の好きな演奏」「私の好きな演奏家(たち)」を立てた方がいいと思うこともしばしばある。曲そのものは名曲中の名曲でも、そのすべての演奏が素晴らしいわけではないし、演奏家だっていつも「アタリ」とは限らない。録音の良し悪しという問題もある。
 ネット上には、クラシックに話を限っても、それこそ数え切れないほどの音楽関係のブログがあり、私もかつてはそれらを足繁く訪問し、そこで推薦されている(あるいは激賞されている)CDを買い求めたものである。
 昨日の記事で話題にしたハイドンの弦楽四重奏曲の演奏に関しても、高度な知識を備えられた識者・好事家の方々のご意見を参考にしていろいろな演奏を聴き比べてみた。それはそれでとても楽しい時間である。まったく知らなかった四重奏団に出逢えるのも嬉しい。
 コダーイ弦楽四重奏団の演奏はいわば「楷書」の演奏で全曲安心して聴ける。玄人の方々からはいささか物足りない演奏と評価されることもあるが、私にとってはいつ聴いてもとても感じのよい演奏である。
 若手の弦楽四重奏団にも素晴らしい演奏家たちが次から次に出てきている。とてもフォローできない。その中で私が特に好きなのは、ミネッティ弦楽四重奏団。設立は2003年。ウィーン国立音楽演劇大学でアルバン・ベルク四重奏団のメンバーなどに師事。四人とも1982年生まれで、すでに一流の四重奏団としての地位を確立しているから、若手という言葉はもうふさわしくないかも知れない。
 彼らが2009年に発売したハイドン弦楽四重奏曲Op.64-4、Op.74-3『騎士』、Op.76-5 は本当に素晴らしい。最初に聴いたのは数年前だが、以来何度聴いても惚れ惚れとしてしまう。