コロナ禍関連の様々な規制が徐々に緩和されつつあるとはいえ、この夏休みはどうも日本に帰れそうにない。仮に予約してあるチケット通りに7月25日にこちらを発つことができても入国時の検査や隔離がまだ要求されるかも知れないし、もっと問題なのはこちらに戻ってくるときで、予定の8月24日の時点でまだ二週間の隔離期間が強制されるとすると、新学期開始に間に合わない。それを前提として帰仏日を早めると三週間ほどしか日本に滞在できなくなってしまう。行き帰りにこれだけの不都合があるのに、どうしても帰国しなければならないほどの職業的理由も家庭の事情もない。
2009年から毎夏一月ほど帰国しており、2013年からは年末年始も帰国するようになったが、なんといっても夏休みが一番長く滞在できるから、それを諦めるのはとても残念ではある。一年というサイクルの中で、夏と冬の一時帰国は、私にとっては大切な「年中行事」で、一年を大過なく乗り切るのに必要な気分転換であるとさえ言える。
2011年から9年間続けていた夏の集中講義を3月末に今年度は休講することにしたのも、やはりとても残念だ。大学院の専攻長からは「来年度にまたよろしく」とのご返事はいただいたが、来年の夏がどうなるのか、今はまだ想像しにくい。
この夏休みはずっとストラスブールで過ごすことになるとすれば、それは初めてのことだ。多くのフランス人たちは是が非でもヴァカンスに出かけるであろうから、とても静かな夏休みをひっそりと過ごすことになるだろう。今、その前提で、夏休み中の「壮大な」読書計画を練っているところである。
6月15日までは閉鎖されたままの市営プールも段階的に再開される方向で今準備が進められているから、7月の後半からはまた水泳を再開できるのではないかと期待している。
先日、スマートフォンで写真を撮るだけですぐに草花の名前を特定してくれるアプリを購入して散歩の折に使っている。これがなかなかのすぐれもので、ほぼ百発百中である。そのさらに二週間ほど前、スマートウォッチを購入した。これは万歩計としても使えるだけでなく、心拍数、SpO2(酸素飽和度)なども計測できる。データは Bluetooth で同期したスマートフォンに自動的に保存される。このアプリとスマートウォッチが日課の散歩へのモチベーションを高めてくれている。
読書と水泳と散歩を日課として繰り返すだけの単純極まりない夏休み、それも悪くはないか、と思い始めている。