内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

修士2年の演習でフランスと日本におけるヤングケアラーの問題を取り上げる

2024-12-14 17:35:40 | 講義の余白から

 前期もあと一週間で終わり。担当するすべての授業の準備を今日終えた。筆記試験を課す学部の二つの授業の試験問題の作成も終え、印刷の発注も済ませた。ホッとする。心身が軽い。
 しかし、授業外では、来年度准教授新任採用の審査委員長という、正直すご~く苦手な責務を引き受けざるを得ず、ノエルの休暇中もそのことで気を揉まなくてはならない。こっちは、ほんと、気が、オモ~いでがんす。
 来週月曜日から期末試験が始まる。私の担当する学部の二つの授業のうち、応用言語学科一年生向けの「日本文明入門」の試験は来週金曜日に行われる。当初は来年1月13日(月)に予定されていたのだが、年内に試験を受けたいという学生たちの希望を入れて、ノエルの休暇前の最終日である金曜日の最後の時間枠に変更した。
 もう一つの学部の担当授業である日本学科三年生向けの「日本思想史」の試験は1月13日に行われる。この試験についても年内か年明けか学生たちに希望調査をした。こちらは年明けを希望する学生が過半数を占めた。賢明な選択である。超弩級の難問4題、ぶち込んでおいたからね、しっかり時間をかけて準備してくれたまえ、諸君、フフフ。
 修士の3つの演習のうち、2つは今週が年内最終回だった。残るは修士2年の仏文和訳上級の2コマ。月曜日に教室で1コマ。水曜日にオンラインで1コマ。これで前期の授業はすべて終了となる。
 月曜日の演習では、フランスのヤングケアラーの問題を取り上げたル・モンド紙の記事の和訳を検討する。演習に参加している7人の学生には演習前日までに翻訳を提出するように指示してある。今のところ3名提出。すでに添削済み。内容的に易しい文章なので、翻訳として検討が必要なところもあまりない。残り4人の翻訳の添削も簡単に済むだろう。だから、月曜日の演習、翻訳に関する問題については実は話すことがあまりない。時間が大幅にあまりそうである。
 で、修士一年の前期の演習で取り上げた日本のヤングケアラーについての次の三つの著作を紹介することにした。澁谷智子『ヤングケアラー 介護を担う子供・若者の現実』(中公新書、2018年)、同著者による『ヤングケアラーってなんだろう』(ちくまプリマー新書、2022年)、村上靖彦『ヤングケアラーとは誰か 家族を〝気づかう〟子どもたちの孤立』(朝日新聞出版、2022年)。いずれもわかりやすい日本語で書かれているので、修士2年なら予習なしでも読ませることができる。
 それでも時間が余ったら、村上氏の本の第4章に紹介されているコーダ(CODA=Children of Deaf Adults)について話す。それでも時間が残ったら、丸山正樹の『デフ・ヴォイス』(文藝春秋社、2011年、文春文庫、2015年、創元推理文庫、2024年)を紹介し、とどめとして、昨年末にNHKで放映されたドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』の一部を視聴させる。このドラマについては、今年1月21日の記事でちょっとだけ言及した。いいドラマですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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