
あまりにあまりに好き過ぎて、その思い入れが過多。
今までためらい、クチに出来なかったアルバムの1枚が高橋幸宏の「ニウロマンティック/ロマン神経症」である。
元々神経症傾向にある幸宏が、彼の持つセンシティヴな憂鬱と、ブライアン・フェリー他ユーロピアン音楽に影響を受けたエッセンスが内面で結び付き、ロマンティークに合い間って産まれた作品。

”ノイローゼ”という、いわば”和製英語”の基である、神経を指す英語「ニューロン(NEURON)」。
それと「ロマンティック(ROMANTIC)」を合わせた造語「NEUROMANTIC」。
この言葉には、1981年5月発表当時イギリスのムーヴメントとなっていた”ニューロマンティクス”への揶揄・けん制も含まれている。
”ニューロマンティクス”そのものが、YMOからの影響下で産まれたことへの、親から子への微妙な距離の置き方。
今夜のインターFM夜、テイ・トーワさんの番組から聞こえてきた、ピーター・バラカンさんとの会話の後のクラフトワーク「アウトバーン」、
そして、この幸宏の傑作「ロマン神経症」収録のこの曲が聴こえてきて、ラジオの前で一人黙って感無量になっていた。
■高橋幸宏 「ドリップ・ドライ・アイズ」1981■
(音声:1982.07.26 新宿厚生年金会館 ソロライヴより)

まるで洗濯されたみたいな気分
ボクは、もうボロボロだ
すっかり落ちこんでるんだ
ボクをひっかき回して
キミの好きなようにしてしまったんだネ
キミのドリップドライな目
キミの ぬれても すぐかわいてしまう瞳
キミは泣くことも笑うことも 同時に出来る
キミがうその涙を流しながら、ボクのそばにいるとき
キミはまるで水道の蛇口みたい
止めたり 出したりしてる
キミの水道の涙のおかげで、ボクのハートはひびわれてしまう
作詞:クリス・モスデル
作曲:高橋幸宏
演奏:幸宏、トニー・マンスフィールド、細野さん、大村憲司、アンディ・マッケイ



