こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2014年7月6日 日曜日 かたちんば・夏の100曲 ~静かの海~

2014-07-06 13:10:34 | 音楽帳

日は明けて光が室内に差して来ても、
腰が痛いとわかっていても、起きたくない朝。
黙って横になって布団をかぶっていたが、脳内で邪念が涌いて止まらない。

そこで、イーノの「Ikebukuro」を繰り返し掛け、耳から入る音の波に呼吸を合わせる。

数十分を経て起き上がり、お湯を沸かして緑茶を煎れる。
布団をまくらに、横になって手近に積んだ本を両手で広げてめくる。
脇に置いた緑茶を、ちびちび飲みながら。

片方のラジオでは、安住紳一郎さんの放送が鳴る。
もう片方では、イーノの1983年作「アポロ」が鳴っている。
脳内で渦巻いている邪念を、こちら側にある程度適当なバラつきを起こさせることで、いさめていく。

横になった姿勢でCDケースを眺めていると、表面に反射して空が見える。雲はあれども、うすい青空がのぞいている。

■ブライアン・イーノ 「Always Returning」(作品「アポロ」)1983■
イーノは、1982年作「オン・ランド」以降、しばらくはその神ワザが消えていく。
聴く者はみんな、そのオーラの消失をわかっていたが、私はそれでも執着していた。

1982年春から夏への流れで出会った「オン・ランド」、
1983年夏に出会った「アポロ」。

作品「アポロ」は、映画として公開された「For All Mankind」のサウンドトラック。
この映画は、小さい映画館のみで短期間上映だった。
(実際の映像を自分が目にしたのは、80年代後半・NHK教育テレビ。日曜の昼下がりのこと。)

当時は、映画より音とイーノのインタビューが先だった。
イーノが、この仕事を受けたときの戸惑い。
NASAのあるがままの映像に、どんな音を同期化させたら良いのだろうか?
相当苦労した作品だった、しかし、ドリーミーな体験だったと語った。

この映画は、映画というよりもドキュメント。
アポロが月面着陸へと向かっていく、実際の映像を繋ぎ合わせたもので、それ自体だけで十分魅力的である。
イーノが珍しく心はやって、情感たっぷりの曲が入っているのも、この映像に感化された結果なのだろう。

見たことの無い方には、この夏お薦めの映画である。




コメント
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