今日は、現実的に暗かった。
私は、仕事場に行き、月曜日の打ち合わせ資料を22:00過ぎまで作っていた。
ずいぶん前に買ったのに、聴いていなかった教授の新作「OUT OF NOISE」を、CDウォークマンで何度も何度もくり返し聴きながら、パソコンに向かって・・・。
【「OUT OF NOISE」 坂本龍一】
かたや兄は、まみちゃんの件の現場確認と状況を納めに、草加の実家に向かった。
兄は、まみちゃんが生まれた時には、既に結婚して実家に居なかったので、時々実家にみんなで集まる時くらいしか、まみちゃんとの接点は無かったので、お袋さんとも、今回の件については、兄には余り言わないようにしようと言っていた。
しかし、鬼畜親父のワガママが、久々に噴火して収まりが付かなくなって、兄に電話してさんざんグチを言ったせいで、兄が実家に行かざるを得なくなったのだ。
いわば「かたちんば」抜きでの家族会議である。
***
昨夜、兄と電話で話した。
かたちんば「”彼ら”の本当の負担になっているならば、僕が引き取る。まみちゃんには可愛そうだが、それしかない。」
お兄ちゃん「お前、本当にそれでいいのか?」
かたちんば「ああ、いいよ。」
お兄ちゃん「お前と俺しかわからないと思うが、あの”彼”は本当に心底"弱い”ニンゲンなんだよ。
もう少し、あのヒトもその弱さを変えることも出来たはずなのに、結局、この歳まで、俺らも含めて変えることが出来なかった。」
かたちんば「20歳を越えたニンゲンなんて、もはや変わる訳なんかあるわけ無いじゃないか。」
お兄ちゃん「そういう言い方をするなよ。方向性を少しでも変えるタイミングもあったはずなんだよ。」
かたちんば「あのヒトが弱いことはよくわかっているよ。自分もその弱さを引き継いでいる訳だから。
ただ、今回は譲る訳にはいかないんだよ。
今まで、僕は、あのヒトに頼まれて、生まれた子猫を(ある程度育てた上で)捨てに行ったこともあるし・・・。」
お兄ちゃん「それは、俺も同じだよ。昔、色んな事があったよ。」
かたちんば「前のピー助の時は大阪に居たから、立ち会えなかったけど、相当苦しんだらしいので、安楽死させたのは、仕方が無かったのかもしれないけど、今回は違うんだ。」
お兄ちゃん「ともかく、状況がわからないから、とにかく明日行って確認してくる。
何なら、その足で、まみちゃん引き取ってお前の家に行っていいか?」
かたちんば「当然、いいよ。ただ、明日は同席できないんだ。」
お兄ちゃん「それはわかっている。お互い忙しい身だから。
ただ、自分は、今はある程度余裕が仕事にあるので、大丈夫だから。」
かたちんば「わかったよ。まかせるよ。」
お兄ちゃん「明日、向こうから電話するよ。」
***
15:00ごろ、ケイタイが鳴った。
兄からだった。
お兄ちゃん「今、お前の家で飼うのは、難しそうだ、という結論になった。
日中居ないと、おしっこの世話や、飲み物の手間もあるようだし。
お袋さんも、自分で診たいと言っているし。
今週、水曜日に、まみちゃんを医者に連れて行く日らしいから、自分がくっついて行って、先生にいろいろ聴いてくる。
結論は、それからにしよう。
・・・おお、お前と電話しているのがわかるのか、こっち向かって歩いてきたよ(笑)。ちゃんと立って歩いているよ。
水も飲んでいるし。」
かたちんば「<若干、怒りを込めて>だから言っているじゃないか。確かに、まみちゃんは、数mの範囲しか動かないけど、それは、退院した時からそうなんだ。
別におかしいことじゃなんだ。
それに、エイズや白血病のキャリアだけど、数値も安定しているし、それだけで死ぬことは無いんだよ。」
お兄ちゃん「お袋さんやお前が、一番状態を詳しくわかっているんだろうけど、自分が行って、自分でも先生に、状態をじかに聞きたいんだよ。
それから、どうするか決めよう。」
***
結局、結論は先延ばしになったが、やっぱり「鬼畜親父」の言うことは「大嘘」で「大げさ」であった。
多分、お袋さんは、何も「鬼畜親父」が言わなければ、ちゃんとまみちゃんの世話をして行きたいと思っているのだと思う。
しかし、自分が、その場に居られない怒りと「なんでみんなわかってくれないんだ」という嘆きで、バカらしくなってきた。
水曜日は、午前中に医者に行くそうだが、仕事の調整が効くかどうか、明日、仕事場で確認する。