晩夏に海水浴場に大発生してうとましがられるクラゲ。しかし・・・。
まずは「サムクラゲ」。こういう姿を見て、綺麗だと思うか、キモいと思うか・・・意見が分かれるところですね。
私は個人的に「綺麗だ」と思うんですが・・・(笑)。
ちなみに、海水浴場にたくさん現れて嫌がられるのは、全く別の「アンドンクラゲ」です。
人間の手では簡単には造形できない姿だと思います。これが動くわけだから凄い。傘の大きさは20センチぐらい。
更に繊細な「ギヤマンクラゲ」。小さいクラゲで、傘の直径は3センチぐらいです。
見ていると吸いこまれそうな姿。ギヤマンというのは昔のガラスの呼び名です。
体長5センチぐらいの「サビキウリクラゲ」。「櫛板(くしいた)」と呼ばれる部分が光っているのが分かりますか?
この光っている部分は電気で発光している・・・わけではなく、蛍光灯の光が反射しています。
ちょっとだけイソギンチャク。「ダーリアイソギンチャク」といいまして、花のダリアに似ているからってことで付いた名前です。・・・が、ダリアというよりハンディモップ。「ハンディモップクラゲ」でいいじゃん。1000mぐらいの深海に住んでいる生態不明のイソギンチャクです。深海に住んでいるってことは・・・磯巾着(いそぎんちゃく)の磯は関係無いですね。
「サカサクラゲ」。なぜか逆さになるヤツ。水槽の内側に張り付いてるしね。カサブタみたい。
「ユウレイクラゲ」。なにこれ。破裂したゆで卵みたいな。
ミズクラゲを主食にする、クラゲを食べるクラゲ。
最後に・・・幻想の世界。「ミズクラゲ」です。
照明の色が変わるので、とても不思議で綺麗な姿を見る事ができます。元々の色は無色透明で、傘の直径は15センチぐらいです。
家庭でクラゲを飼育しているのをテレビで見掛けますが、実は飼育にはかなり高度な技術が要ります。
まず、海水。人工海水の管理は非常に難しいです。海水魚の飼育に慣れている人なら、このハードルは越えられますが・・・。
次にクラゲの遊泳力の低さ。濾過に使われる通常の水質維持用の上部フィルターや外部フィルターでは、クラゲがストレーナー(吸い込み口)に吸い込まれてしまいます。なので、ちょっと工夫をしたオーバーフロー式を使用する必要が出て来ます。つまり、飼育設備が大型化します。テレビで見る水槽は、素敵なキャビネットに乗っていますが・・・あのキャビネットの中には、飼育水槽と同じぐらいの大きさの濾過水槽が収納されているのです。
水流が無いとクラゲが底に沈んでしまう、というのも厄介で・・・適正な水流が必要になります。
嬉しい部分がひとつありまして、生存許容水温が5~30℃と広いことです。これは管理が楽ですね。サーモスタットが要らないかも。水温の乱高下はまずいですけど。水温が30℃を超えるとほぼ死滅します。
ヤバイな。話がマニアックになってきた(笑)。もう「そっちの世界」に戻るつもりは無いんだけどなあ。餌はブラインシュリンプ(ホウネンエビ)を沸かして(孵化させて)与えます。ここで水槽がもうひとつ必要になりますね。
適正な水質はPH8.0です。弱アルカリ性の水質を好みますので、酸性に傾いた水質では飼育できません。水中には好気性バクテリア(硝化細菌)がいる事が必須条件で、このバクテリアがいないと餌の残りなどの有機物から発生するアンモニアがクラゲにとって無害な硝酸塩に分解されなくなってしまいます。しかし、硝酸塩も増えすぎると水質が酸性に傾いてしまうので、PH7.7以下になる前に水換えが必要になります。PH7.7以下では生存できません。
となると、3日~7日に一度、水槽の水の3分の1を換水しなければいけなくなります。その手間に掛かる時間は水槽の大きさにもよりますが約60分。水質維持を考えたら少なくとも90センチ水槽が必要になりますので・・・交換する水量もハンパじゃないですね。その分の人工海水も必要になりますし・・・ランニングコストが大変だ(汗)。
あ~、何だか熱帯魚・海水魚の飼育書みたいになってしまった(笑)。昔はマニア・・・っていうかほぼオバカサンでしたからね(笑)。
次回はサメとマンボウです!