昨日に引き続きワカサギ釣果の解析を行います。今回は榛名湖と松原湖(長野県)の比較です。
私の場合、群馬県でも長野県境に近い所に住んでいるため赤城よりも松原湖の方が近いこと、赤城にはトラウマがあることなどからワカサギの氷上釣りは榛名湖か松原湖がほとんどになります。
(松原湖:後方の山は八ヶ岳連峰)
そして平成19年や21年のように暖冬による氷厚不足で榛名湖の氷上釣りが出来ない場合は毎週のように松原湖通いとなるのです。
それでは、まずは両湖の氷上釣りシーズンの年平均CPUEの比較です。
一目瞭然ですが榛名湖は好調不調の波が激しく、松原湖は安定しています。ボリューム(型)的には榛名湖の方が断然大きく、松原湖はメダカサイズの年が多いのですが・・・この違いは何処にあるのでしょうか、湖の大きさ? 湖の深さ? 湖の生産能力? 何なのでしょうか?
この表は年平均ですから結構よく見えるのですが、解禁当初の釣果が平均値を上げているだけのことで、1シーズンを通してみると状況はがらりと変わってきます。
そこで、1シーズンを通した表を見ると榛名湖(昨日の表をご覧ください)でも松原湖でも同じ傾向があることが分かります。
特に松原湖は毎年同じような推移で、解禁当初に結構釣れ良型も出ますが、1週間目くらいから釣果が落ち始め、3週目頃には激渋状態になってくるのです。
魚の数が減ったり、魚の警戒心が強くなったり、産卵期に近づいて餌の喰いが悪くなったりの原因が考えられますが・・・これからがワカサギ釣り師の真骨頂の見せ所と手を変え品を変え何とか釣り上げようと努力するわけです。
穂先を柔らかくしたり、ハリスを細くしたり、ハリスの長さを変えたり、針の号数を変えたり、モロコシやブドウ虫を寄せ餌に使ったり、フカセ釣りをしたりと涙ぐましい努力があるのです。
この様子を見ていると、つくづく「遊び」というものは技術を進歩させ文化を創っているのだと実感させられます。もちろん経済効果にも役立っているのですから・・・。
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12月は締めくくりの月と言う事で・・・
「ぐんまのアユ事情」ばかりを書いていたので「ワカサギ事情」もと思って今までのデータを整理してみました。ワカサギ釣りを本格的に始めて30年近くなり、パソコンに釣りデータを入力し始めて十数年になります。そこで過去10年間をグラフにしてみました。
最初の表はワカサギ釣り全部のデータです。つまり場所も様々、氷上もボートも桟橋も全てひっくるめた回数と一回当たりの平均釣果です。
全釣行回数(渓流+アユ+ワカサギなど)が年間40~60回で、内ワカサギは8~18回で約三分の一はワカサギと言うことになります。釣果は平均すれば束アップはしていることになるのですね!
しかし、この表では正確な傾向は分からないのです。アユの記事でも書いたことがあるのですが漁獲量を努力量で割ったCPUE(Catch Per Unit Effort)で分析しないと魚の密度や資源状態が分からないのです。早い話がワカサギ釣り師が言っている時速なのですが・・・榛名湖だけに限ってCPUEを出してみました。
10年間だけのデータなのではっきりとはしませんが5年に一度くらいは不漁の年があって2年程度は続くようです。(表にはありませんが平成11年も不漁だったのです。)
そして、春が孵化の時期ですからボート釣りの結果が次年の氷上に影響することもよく分かりますね。ちなみに多分良かったであろう平成19年と21年の冬は暖冬で氷に乗れずにデータが無く数値上ゼロで表されています。
次に今年平成21年秋のボート釣りのCPUEです。解禁日に時間65尾と良い結果を出し、その後の10月・11月は時間20尾前後を維持しています。さて22年の氷は乗れるのか、そして釣果はどうなるのか・・・?
これらの表から類推すると、だんだん下がり気味なのでしょうか?それとも好調を持続できるか?
結局は、漁協にお任せするだけ・・・!
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「ぐんまのアユ事情」と称して群馬県のアユに代表される魚の現状、つまり水産環境の現状について、つらつら書き始めて三十数回を数えてしまいました。
今まで書いてきたことを表に整理してみると下の図のようになるのではないかなと思います。そして不漁の原因として、河川環境の問題、生態系の問題、種苗の問題、人間の問題の四つに大きく分けられると思っています。
この問題を解決していくのはどうしたらいいのか? そして、誰がやればいいのか?
表の人間の項の部分に釣り人、一般と並べ一番下に???と書いておきました。
このブログの多くの読者の方は此処にどんな名称が入るのかは分かっていると思います。行政でも試験研究機関でもなく、釣り人や一般県民でもない・・・そうです、増殖義務と引き替えに漁業権を付与されたところが入るのです。
川の環境を良くするために自らの努力で川に石を戻す事業をしているところ、カワウを一生懸命追い払っているところ、冷水病対策のためオトリの持ち込みを制限しているところ、ストレスをかけない放流を丁寧に行なっているところ、よりよい種苗を追い求めて研究機関に協力しているところ、外来魚の拡散を防ぐため駆除事業を実施しているところなど、様々な対策をしているところもあるのですがねぇ~。
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