●今後、江戸時代の笑い話を紹介していこうと思っている。一般の読者のかたも楽しめると思う。現代語訳ではじめるので安心して読んでいただきたいものだ。
●うちは国語関係、マジック関係以外の読者の方も意識(は)しているのである。
●で、だ。
●自分が古文を好きになったきっかけは土屋博映師の『土屋の〈古文〉 (ナンセンス編)』だった。
●碩学である土屋博映師が下ネタを含めた面白い、笑える古文を紹介し、雑談こみで古文の知識(文法、単語)を伝えるという名著であった。
この本から入門した自分は本当に運がいいと思う。
古文は楽しい! から本格的古文勉強を開始できたのだから。
●土屋博映師の経験に裏打ちされた素晴らしい(国語屋としては恐ろしい)本であった。
●まず、初心者に伝える点を大胆に説明していた。
文法事項や単語で読者(=古文に「ナンセンス」を求める者=多くの古文苦手者)を圧倒することなく、かといって初心者専用に偏ることがなかった。
普通に古文公式を示して、かと、いって已然形とは何かなどの文法用語に深入りすることはなかった。
この匙加減はさすがであった。下手に体系的にせずに、あとあと、効果を発するあたりを見抜いていらっしゃったのである。
思い切りがいいというか。
●次に「面白い古文=ナンセンスな古文」を収集する力である。多くの古文に触れていないと、こういう真似はできない。
●こういう古文を集めるためには大量の問題を教えているはずである。
●歴戦の古文講師でなければこうはいかない。
●しかし、そのひそみ(顰)にならってしまおうというのが「笑ひ話を楽しまん!」シリーズをはじめてしまうという企みである。
●面白い古文を収集していない代わりに笑話集である『醒睡笑』を活用しようと思うのである。
これなら笑える話が集まっているし、高校入試の出典としても多いので古文入門にはうってつけだと思うのである。
●しかし、だ。
●欠点がある。
●入試に出るのは平安前後の古文が中心である。西暦だと1000年前後である。
そして、古文はやがて現代語に変化していくのであるが、江戸初期は1600年代なので真ん中あたりである。
●これは不都合。
文法がやや現代よりなのである。
●また、当時の常識やらなんやらに「注」をつけなくてはいけなくなり、読みにくくなること請け合いである。
●で、だ。
●まず、構成として訳文、古文、解説という順番で掲載していく予定である。
これは私が『土屋の〈古文〉 (ナンセンス編)』を読んだときのやり方である。訳文を先に読んでおくシステムにしておくと、注も減るし、一般の読者の方=入試古文に関心なんかねーよという方でも楽しんでもらえると思うのである。
●次に『醒睡笑』の本文を改変しちゃおうと思っているのである。これも注が減る。「連一検校」より「杉原連一検校」のほうが人物のことであるとわかりやすいと思うのである。
●さらに改変すると都合が良いのは文法を平安時代(中古)っぽくできるのである。この辺り私は勉強不足なので正確にできるとは思えないが、まあ、受験古文、高校古文程度に改変はできると思う。例えば「見た事がなひ」は「見し事なし」にするということである。「見た事がなひ」は「見た事がない」と読み、現代語に近づいているとわかるよね。
●さて、実はうちのブログは古文文法の知識はかなり網羅しており、解説と関連する文法知識はリンクで詳しく勉強できる。
●「笑ひ話」で古文はかなりいい企画だと思うのである。
なるべく、文法というより読解を中心にしたい。ただ、短いので、このあたりを説明できるかどうかは、実際にやってみないと…。
●まだ、読み始めたばかりだけどな。