旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ハトシェプスと女王葬祭殿でおにぎりを

2019-01-22 10:10:10 | エジプト
外国に来てまで日本食を食べなくても…と思いはするが、実際に出されると嬉しくておいしくて…
気球を降りてそのままルクソール西岸の観光をすることにした。
朝食はクルーズ船からお弁当をはこんでもらった。洋式のパンとリンゴとヨーグルトぐらいだろうと思っていたら…
おお!なんとりっぱなおにぎり↓

朝陽に輝くハトシェプスト女王葬祭殿を見ながら横一列でおにぎり朝食を食べた↓

小松が仕組んだことではなく、手配側のサプライズ演出。まんまと狂喜した自分は米好きの日本人。
急ぎ足の見学グループをいくつも見送った↓


そして、我々も見学↓

プント国との交易の様子とか、女王の姿が削り取られたという話も興味深いが、

↓動物の描写力のすばらしさにはいつも驚嘆させられる。女王の指を舐めるこの牛↓


近年復元されたいちばん上のテラスにあがる

そこから岩壁に向かって左方向に目を移すと、もうひとつのあまり復元されていない建物が目に入った↓

「実は、この場所に葬祭殿を建設したのはハトシェプスト女王がはじめてではないのです。」
「先に中王国時代のメンチュヘテプ二世の建設した葬祭殿があったのです。」
ガイドさんに説明されて、この場所の歴史的な変遷が理解できてきた。
象皮病だったのでは?と言われるメンチュヘテプ二世王の像をカイロで見たっけ↓

国を再統一した力のあるこの王が、最初にこの岩崖の奥に葬祭殿をつくっていたのだ。
ハトシェプスト女王は同じ場所の向かって右側の崖を切り出して新たに場所をつくり、より大きな葬祭殿を建設していた。

メンチュヘテプ二世の葬祭殿も、ゆっくりゆっくり発掘復元がすすめられている↓

↓まだカバーをかけられた発掘ほやほやのスフィンクスもそのうち展示されるだろうか↓




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ルクソールの気球2019 1月

2019-01-22 08:00:00 | エジプト

まだ暗いナイル川をボートで渡る

お茶とクッキーが出るけれど、気球にはトイレがないから(笑)ほどほどに

西岸でバンに乗換え、十分ほどで下車。

懐中電灯で地面を照らしながら歩いてゆく

月がきれいだ。

たくさんの気球が送風機で風を送られ、生き物のように膨らみはじめていた↓

ある程度膨らんだところで、今度はバーナーが火を噴いた

熱せられた空気がいっきに気球を立ち上がらせようとする

周囲の気球からも同じように轟音が聞こえはじめる


ゆっくりとバスケットを引っ張り立たせるバルーン
いよいよ、バスケットに乗り込む

今回は幸いにも階段が用意されていた(^.^)↑写真右端にちょっと写っております
↓乗り込むと「ランディング・ポジッション」の練習↓

着陸の際に(めったにないが)バスケットが倒れることがあるので、バスケットの中にしゃがんで中のロープをしっかり掴む姿勢。
今回の同乗したのはスペイン語をしゃべる賑やかな一団。
夜が明けてきた。バーナーの炎はアタマを熱くする(笑)


気球の高度は百メートル程で充分。高ければよいというものではない。

地上の様子が見えるぐらいがよい。サトウキビ畑↓

あとから訪れる「ハブ神殿」を上から見下ろす↓




夜明けの空に撒き散らされたように飛ぶ気球

ナイルの向こう・東側からは太陽が顔を出しはじめた

気球に乗っている時はほとんど風を感じない。
風と共に飛んでいるからだ。

バーナーを開く音以外は静かな空中散歩。

↓突然賑やかな歌声が足の下から聞こえてきた

我々を迎えに来た地上スタッフがトラックの上で歌っている(^.^)
後からロバに乗った少年も(^.^)
※こちらから動画をごらんください

「ランディング・ポジッション!」パイロットの声でバスケットの中にかがみこむ。
バスケットの底が軽く地面をバウンドして、すぐに止まった。
物欲しげに待ち受けるロバでやってきた子供たち

バルーンが完全に浮力を失うまでバスケットを出てはいけない。
↓こんな風にたたみはじめてしまえばもちろんだいじょうぶ

↓「良いお天気でよかったねぇ」
バスケットから出るのはそこそこたいへんなのでスタッフが手をかしてくれる。

気球搭乗照明をもらいました(^.^)

日本の説明会の時に「あたしは高所恐怖症だから…」と尻込みしていた方も、乗ってしまえばそんな事はけろっと忘れておられました(^.^)
気球は中毒性があります(笑)
※昨年11月、メキシコのテオティワカン遺跡での気球を膨らます動画


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ルクソール神殿~巨像の楔石

2019-01-21 17:00:00 | エジプト
クルーズ船最初の夕食。
レストランを入るとナイフとフォークがこんなふうにお出迎えしてくれた↓

食事がおいしいことがいちばんだが、さらにこういう心遣いで楽しませてくれようという心意気(^.^)
↓チョイスメニューで茄子のイマームなんとか↓これって…

トルコであった「坊さんがびっくりした」という料理ではないか。エジプトは長くオスマン・トルコの支配下にあったし食は楽々国境を超える。
***
夕食前には夜のルクソール神殿を見学した

最近はどのグループも定番のように夕方にやってくる。
船での休憩を長めにとって三十分ほど遅らせて行ったら見違えるほど空いていた↓これでも空いているのです(^.^)混んでいる時はガイドさんが「初詣ですねぇ」と言うぐらい(^.^)↓

↑これまで何度も見た、塔門入口の巨大座像。この像はしかし設営した時にヒビが入ってしまい、それを修復する楔がうってあったということをはじめて知った↓その楔の跡がこれ↓

重量がありすぎて置いた時にヒビが入ったのを見た古代の担当者は青くなったことだろう。
完全に割れたら像が倒れてしまう。その前に楔を打って修復したのか。
「別の場所にも同じ処置をしたところがありますよ」と、ガイドさんがもうひとつの座像の後ろを見せてくれた↓
目立たない裏側。こちらの楔は現在でもがっちりと打たれている↓

巨大な建造物を安全に人の前に出現させる建築者の苦労は今も昔も変わらない。
遥かな時を超えて、古代の人の気持ちが感じられる。
こういう発見がなにより面白い(^.^)

↓神殿の内陣近くで、足が逆さに彫られた石があった↓

いや?これは石自体が積みなおされているのだ↑
↓この部屋はエジプトの古代宗教が衰退した後、キリスト教会に転用された場所。
「転用」する時に古代神殿を壊して積みなおしたのだと理解した。
古代神殿の神の名をわざわざ逆さにはめ込んだりするのはイタリアの古い教会でもよく見られる。
ここでは上から漆喰を塗りフレスコ画が描かれていたのだから、逆さだってカンケーないのでですね↓


明日朝はいよいよ気球。
今回は05:15にクルーズ船を出る。

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ナイル航空でルクソールへ カルナック神殿見学してメイフェア号にチェックイン

2019-01-21 10:10:00 | エジプト
メナハウスをチェックアウトして07:30カイロ発のナイル航空でルクソールへ向かう。
早朝にホテルを出るのは好きじゃないと思っていたのだが、カイロ市内の最近の交通渋滞を見ていると、道が混む前に出発する方がよいのかと思った。

今日はエジプト航空ではなく、ナイル航空↑機体のデザインがおもしろい
機内で簡単なサンドイッチも出た


スペイン語を話す観光客グループといっしょになった。アルゼンチンからだそうだ。
「日本人?」と訊かれて頷くと、「いつも敬意をはらってるのよ」と笑顔↓

南米には日系人が多い。かつて故郷から離れざるを得なかった人々が地道に信用を築いてくれたおかげで、我々日本人は「日本人だ」というだけでまずは信用を得られている。

ルクソールに到着↓

一月のはじめに訪れた時よりは暖かくなった感じがする

↓整然と並んだスフィンクスの通りだ!↓

スフィンクス参道は、かつてルクソール神殿とカルナック神殿を結んでいたのだが埋もれてしまっていた。
ついにそれが復活再現されようとしているのだそうだ。
歩いてみたいなぁ。

カルナック大神殿前に到着
よく出来た全体模型の前で解説をきいてから中へ

第一塔門は未完成で、工事に使ったと思われる日干し煉瓦がまだ積みあがっている↓

この泥には三千年前の陶器のかけらが混ぜ込まれている↓

↓ラムセス二世時代の巨大な立像↓

↓足元の小さい女性像は最愛の王妃ネフェルタリ↓

↑これって、やはり「理想化」されているのかしらん?
それともほんとにこんなに完璧なプロポーションだったのかしらん?
ま、美しく刻まなければモデルは承知しなかっただろう。いつの世も真実など伝わらない。

↓至聖所の近くに緑色の石でできた門が復元されていた↓

↓これって、ほんとにこんな色だったのですか?

ガイドさんに訊ねると…
「カナダ隊が復元したのですが、正直『やりすぎ』という意見が多いです」とのこと。
遺跡はきれいに復元すればよいというものではない。
学術的に正確復元しても観光客うけしないが、ここまでやる必要もないかな。

列柱の一部はまだ未完成↓

石を積み上げてから表面を平らに削って、そこに絵を刻んでいたのが分かる
↓完成していれば古代エジプト最大になったであろうというオベリスク↓
横倒しになってちょうどよい日陰ですにゃ


↓クルーズ船にチェックイン。あ、この船ではありません。この次の船です↓

メイフェア号
食事がおいしいのがいちばん↓


ボートで西岸に渡る時にやっと全景が見えた↓



ボートから東岸を振り返ると、百年以上前に寒いイギリスから避寒にやってきた人々が泊まっていた「ウィンター・パレス」が見える↓


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階段ピラミッド、ギザのピラミッドエリア

2019-01-20 09:00:00 | エジプト
メナハウスからサッカラへの道、19世紀に敷設された運河の傍を通る。
そこはしかし、ゴミに埋まっている↓

20世紀の前半までは「世界の美しい街」に選ばれるような場所だったカイロは、どうしてこんなことになってしまったのだろう。


サッカラエリアにあるのは階段ピラミッドだけではない。今日はウナス王の(崩れた)ピラミッドの内部や、貴族メレルカの墓にも入ってみよう。

あの山が元ピラミッド↓


↓まずは階段ピラミッドへ↓

↑復元された聖域への入口、そして列柱↓

↑この柱の間には階段ピラミッドの主=ジョセル王の像がずらりと並べられていたと推察されている
↓抜けると目の前に階段ピラミッド

囲んでいた壁↓

そのいちばん上には鎌首をもたげたコブラがずらり↓

お宝はピラミッドよりも少し離れた深い竪穴に隠された↓

階段ピラミッドの地下には緑色のファイアンス(焼きもの)で装飾された回廊がめぐらされているそうな。
ここはこれまで一般公開されたことはない。いつか機会がめぐってくるだろうか。

ここからは「赤ピラミッド」「屈折ピラミッド」などが遠望できる↓

ずいぶん以前にいろいろなピラミッドを訪れた。ピラミッドはそれぞれ違った内部構造を持っていて訪れる価値がある。ピラミッドめぐりの一日があってもおもしろい(^.^)そのうち(いつ?)

「ピラミッド」というものを人類史上初めて考案したとされるイムホテップの博物館もある↓

その後彼は神として祀られるようになった↓そうなってからの彼の小像


○ウナス王の崩れたピラミッド内部へ降りる


第五王朝、紀元前2350年ごろと推察されている


○貴族メレルカの墓
日常生活が描かれていて興味深い

↓いちばん奥には彼自身が


日本ではみかけない足の長い蟻がいた


昼食はメナハウスまでもどって



↑おいしかった「オム・アリ」を再び(^.^)

***
昼食後はメナハウスのすぐ近く、ギザのピラミッドエリアへ

久しぶりに中へ入った

二十年前の写真を載せてもぜんぜん変わっておりませぬ

ナポレオンは大ピラミッドの玄室で一夜を過ごしたそうだが、そこで何を見たのかは終生語らなかったのだそうだ


大ピラミッドのすぐ横から発見された「太陽の船」博物館ももちろん↓

ゆっくりしすぎて、スフィンクスの近くで下車すると入場時間ぎりぎりになっていた。

幸いガイドさんの「顔」で本日最後の入場客になれた
ミイラをつくったとされる葬祭殿、他に誰もおりません↓

すぐ横から、こーんなアイデア写真も撮りました

↓すぐ近くで家を取り壊していた↓このエリアでは観光の環境を守るためにここまでするのか。
他の場所でもきちんと管理すれば、冒頭の運河みたいなことにはならないだろうに。


バスの駐車場で、「ワンダラー」のおじさんから、ほんとうにワンダラーでこのカゴを購入↓

↑すごくしっかりつくってあるけれど、これはただの「草」でつくられたものだそうな。
本物の椰子だと10ドルはするのだとか。
さて、日本でどうつかいましょう(^.^)




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