旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

トロの参事会教会

2015-04-21 10:59:02 | スペイン
様式的でありつつ、いきいきした足運び。手の動き。この「踊る天使の行列」を見るだけにでもTOROの町へ行く価値があった。
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サモラのパラドールの朝食は07:30からこれは他のパラドールより三十分早い。食べてから市場へ歩いていこう。道すがら、マヨール広場のファサードが朝日に美しい入口の花の模様はひとつひとつ違う 市場はしかし、観光客が買えるようなものはほとんどなく、買ったのは白インゲン豆だけ(笑)でも、おいしそうです手前の赤いのはパプリカのパウダー

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今日はマドリッドへ向かう日。だが、午前中に宿泊したサモラから三十分ほどの距離にあるTOROの町へ寄っていく行程にした。ここには後期ロマネスクの参事会教会がある。

今回訪れる町のなかではいちばん知名度が低いだろう場所。
しかし、経験則で「有名な場所へ行けば満足度が高い」とはまったく言えない事はわかっている。むしろ知らないでいきなり遭遇するモノの方が驚きをあたえてくれるに違いない。

TOROは今では小さな町だが、けっこう大きな要塞がある。そこでバスを降りて、広場に掲示されていた地図を見ながら旧市街の小道を曲がると、突然「参事会教会」がそびえていた。

堂々たるロマネスク。サモラのカテドラルように後代にいじりまわされていない。
この姿を見られただけでTOROの町を訪れた価値があるというものだ。
近づいて南の入り口を見上げる誰かが「アンコールワットの彫刻みたいですね」と言った。確かに仏教の僧侶の姿に似ている。
踊るような天使の描写

この門だけでもずうっと見とれていられるが、この教会最大の見ものは、西側の門にある。と、ミシュラングリーンガイドに記載されている。

外側からまわってみるのかと思ったら、教会の中からそこへ導かれた。
ロマネスクの西門は、製作されて百年経たないうちにひさしがつけられ、さらに大きく囲う礼拝堂がつくられたので、今は教会の堂内に位置していたのだ。
これが、それ。

ミシュランの解説によると18世紀になって彩色しなおされたとある。が、現地の方のお話しでは「十七層にもなる厚い塗りによって、汚れを落としてゆくとこの彩色が残っていた、そうな。


下は地獄のシーン。こういうシーンがいちばんおもしろく描写されている。


ゴシック時代になってロマネスクよりずっとリアルな聖母マリアの描写
ゴシック期以降になるだろう妊婦姿のマリアの像もあった

小松の個人的所感だが、彩色されたこの西門よりも、色がほぼなくなってしまい風化も進んでいる北門の彫刻の方が静謐で美しいのではないか。

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さて、ちょっと早いが教会前のバールで軽食としよう 
小松はもう一回教会を見に行く。
美しいクーポラ
川を見下ろす位置にある聖堂

管理人の話によると、北面と西面にくわえ、南面にも彫刻があるという事だったが、その位置には新たな礼拝堂がくっつけられていて内部は見えなかった←写真の右側がその敷設された礼拝堂にあたる位置。

参事会教会のすぐ近くにはこんな木組みの家ものこされている ちいさなよろず屋さんで売っていたグラン・コレギウムというトロ産のワインを購入。参事会(コレギウム)教会の絵がラベルに見える。11ユーロで充分良いものが手に入る

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マドリッドまで三時間ほどのバス。
途中のサービスエリアで見かけたポテトチップス。
左はパリ・スタイルで食べるとふつう、右が東京・スタイルでテリヤキ味なのだそうだ
午後三時すぎにマドリッドの市内に入る。かつての郵便局が今は市庁舎として使われている

プラド美術館見学の後、ホテルへチェックイン。近くのピンチョス(つまようじ)バーで食事
終わってからバスでベネベント広場まで行き、マヨール広場近くの有名なマッシュルームのお店へも行ってしまいました
帰りはソル広場から地下鉄でアトーチャ駅近くのホテルへ。
ソルの駅はヴォーダフォンがスポンサーになっているので、ヴォーダフォン・ソル駅と表示されております。

コメント
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