《手造の旅》ニューメキシコ二日目
ついにやってきました!ホワイトサンズ国定公園
夢見た白い石膏の砂丘が目の前に広がる深い蒼色の空に、どんな絵描きでも再現できない美しい雲がながれてゆく。
**メキシコと国境を接するエル・パソの街から北へ二時間。「午後から雨」という天気予報を心配しながら向かった。途中で一度フロントグラスに雨粒があたり心配したが、ビジターセンターに到着するとこの空の青日干し煉瓦の赤茶色と白い砂は、青空の背景によってより引き立てられる。
ゲートを入ってしばらくドライブすると、道路は白砂の中にはいっていくこの石膏の砂丘は奄美大島と同じぐらいのスケールでひろがっているが、国定公園として我々が入っていけるのは北部のごく一部にかぎられている。※なぜなのかは後述
車で走れるのは12.8㎞の「デューンズ・ドライブ」のみ。その途中に四か所ほどのトレイルの入口がある。
歩きはじめる前は、「ざらざら崩れて歩きづらいだろうし、砂は熱いんだろうな」と思っていた。
とぉころが、おそるおそる裸足になってみると全然ちがう。砂は適度に締まって、足はめりこまない。ひんやり冷たく気持ち良い。ここは裸足で歩こう!砂の質は砂漠によってこんなに違うのか二日前に大雨だったので、水を多く含んだ場所は足の裏からすぐに分かる。今日はたまたまなのだろう、ちょうど良く固く、気持ち良いコンディションになっていたのだった。幸運に感謝。
●トレイルといっても砂山の中。道がはっきりあるわけではなく、ぽつんぽつんとこんな杭が打ち込んであるだけ。次の杭を見つけて追ってゆくトレイルである今日は風も無く、見渡すと「次の杭」をすぐに見つけられたが、砂が舞う日は自分の来た道を見失いかねないだろう。
美しさにつられて、どんどん奥へ迷い込んで遭難、あり得ます。
三か所歩いたうちの一か所だけ、こんなボードウォークになっているここは15分ぐらいで往復できる程度の距離。
★足元をさっと走るものを発見!そヤツが隠れた草に近寄って目を凝らす。見えますか?⇒ぢっと…自分の身体の白さをまわりに溶け込ませている。カメラをゆっくり近づけて 正面からもこんにちわ名前はブリーチド・イヤーレス・リザード=漂白耳無しトカゲ。みんなに囲まれてうごけません
●夕暮れに行われる「サンセット・ストロール」に参加した。レンジャーの方の自然や動植物についての説明を聴きながら、少し散歩。手渡してくれたこの岩石が白い砂の素なのだそうだ
砂にしっかり根を張って水分を抱えた植物そこに食い込んで生きのびている小さな動物や昆虫や蛇。多くは陽射しのない夜に活動する。そうだろう、今日の様な10月の気持ち良い日でも、しばらく歩くと汗ばんで喉が渇くのだから、夏場の昼間にはとんでもない暑さにちがいない。
陽が傾いて影が長くなってくる
**ホワイトサンズ国定公園のある白い砂漠の側は、ミサイルの発射実験が行われる場所。来る途中にこんな看板がたくさんあった⇒「あなたはホワイトサンズミサイル実験場に入ってきています」※実際に行われる時には通行止めになる道路の一角だということ。 「ミサイルギフトショップへどうぞ」とも書かれている。そんなのが併設されているんですね。
★かつて、世界で初めての核実験が行われた場所は、この国定公園から南に広がる立ち入り禁止の場所。それは1945年7月16日。つまり、広島に原爆を投下する三週間前のことだった。
七十年後の今、日本の自衛隊が毎年ミサイル実験に訪れている。⇒※こちらにもう少し書きます