スロヴェニア領のシュコツィアン洞窟から一時間ほど走って、イタリアの北東端トリエステに至る。トリエステはイタリアというより永くこの町を支配したオーストリアの雰囲気を強く感じさせる街。19世紀に整然と都市計画された港の通りはウィーンのよう。その一角に今回のホテルがある。ロビーも時代を感じさせる 部屋に荷物を置いたらさっそく歩きに行こう。風はつよいけれど、夜空には星が輝いている。ホテルを出て右へ百メートルほどで中心の広場。地面に青い光が埋め込まれている 明日歩いて観光するにしても、こうして夜の街を見ておくことは無駄にならない。
広場の南は海に向けて開け、三方はこんなふうにかこまれている。
再び港を歩いてホテルへ戻る道で、こんな人に出会った⇒足元を見ると「ジェームス・ジョイス」。故郷のダブリンから駆け落ちしてきて、ベルリッツの英語教師をして食いつないでいた時期から十四年近くを過ごすことになった街。
トリエステ中を十数回ひっこしまわっていたが、ウンベルト・サバの古本屋の二階に住んでいた事もある。二人は一歳しか違わない。出会って話たこともあっただろう。明日来る地元のガイドさんにそんな話もきいてみることにしよう。