旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

《手造の旅》近江長浜と比叡山~西野水道を歩く、「紅鮎」泊

2022-04-06 10:45:20 | 国内
江戸時代・百八十年前にノミとゲンノウだけで掘りぬかれた「西野水道」を歩いた。

朝十時、米原駅集合。
小松は三十分早く着て井筒屋のお弁当「湖北のお話」を受け取る。※このお弁当に出会った時の話をこちらに書きました

↑長浜方向へ北上すると↑右手に見えている伊吹山が形を変えてゆく。
姉川を超すあたりでちょうど🗻富士山のように見えるので「姉川富士」とも呼ばれるのだそうだ。2月23日には雪に覆われていた時とはがらりと違う印象だった。※2月23日の様子をこちらに載せています


元三大師=良源が、自らが生まれた場所に母を偲んで建立した寺=玉泉寺↑
あさって訪れる比叡山の中興の祖。
前回訪れた時、良源の生涯を描いた漫画をいただいた。この寺が制作して、訪れた人に無料で配布してくださっている。とても分かりやすく、良源に出会いたいと思わせてくれる。

↑鬼のような姿は、厄除け祈祷をしていた姿を鏡越しに見た弟子が「師匠ご自身が鬼の様に見えました」というと、「その姿を写して魔除けにせよ」と描かせた絵だと伝わる。

今日も、住職がわざわざ出てきて前出の漫画をくださった。


↑高月観音の里資料館

↑これは「掛け仏」とよばれる仏像だが、とても重いので漬物石に使われていたのを発見されたのだそうだ(^^)
小さいながらも豊富な資料が並んでいる。
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資料館から徒歩すぐの渡岸寺境内へ↓

奥琵琶湖も桜が咲きはじめている。

「湖北のお話」弁当をひろげる。
そのあと、国宝の十一面観音を拝観。
※2020年下見で訪れた時のブログに書きました
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冷水寺の「胎内仏博物館」へ

秘められていた歴史がこんなカタチで目の前に出現することがあるのだ
※2020年9月訪問の時のページにリンクします

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冒頭写真のヘルメットは「西野水道」に入るために必須。

↑「西野水道」は余呉川の水を抜いて、この地域の収穫をあげるためになくてはならない土木工事だった↑上の写真で見えているのは昭和二十年代に建設された二本目の水道。
※2020年にその存在を知った時のブログにリンクします

↑管理しておられるNさんにお話していただき、

↑ヘルメットと長靴と懐中電灯を用意して、準備完了!

↑入口は思ったより高さがあり、そのまま立って歩ける。

穴は蛇行していることが、入ってみてはじめてわかった。

↑全体図を見てもそれほど感じなかったが、実際に入ってみると予想以上に曲がっている。
岩は均質な硬さではないし掘れば水も出る、時には崩れる。

真っ暗!掘っていた当時には貝殻に油を入れて火をともしていた↑

↑天井まで四メートルもある部分はいったい何を意味しているのだろう?

↑雨の日はごうごうと水が流れていることもあるとか↑なんせ「水道」なのだから地面はこんな↑


↑「こうもりがおるんですよ」
しんがりをつとめてくださっているOさんがおしえてくれる

↑羽にくるまって逆さにぶらさがって就寝中(^^)かわいい↑

↑目はない↑こんなに間近にコウモリの顔をみるのははじめてだ。
Oさんによると、暗闇の洞窟を人をよけながら猛スピードで飛んでいくのだそうだ。

↑突然通路が小さくなった。
天井も低くなり少しかがんで歩かなくてはならない。
ははん、ここからが能登の石工が掘ってきた部分だ。
水道は湖側から掘りはじめたが三ヶ月で十八メートルしかすすまず、三年目に硬い岩盤にぶちあたって中断した。方針変更して東側から掘りはじめることになった。ギブアップした能登の石工に代わり伊勢から呼び寄せられた石工が掘り進め、約五年で貫通した。

つまり、最初にあるいてきた部分が後から掘った伊勢の石工たちの手によるもの。
湖が近づいて急に狭くなった部分は初めに掘った能登の石工たちによるもの。
そう考えてよいのではないかしらん。

狭くなったあと↑通路にこんな枠がはめられている↑アタマを打たない工夫?水が落ちてくる?崩れる石がある?

↑琵琶湖側に抜けた!↑二百二十メートルよりずっと長く感じた。

湖に流れ出しているのは↑昭和五十六年に建設された三本目の水道↑
↑これによって余呉川は完全に流れを変えることができた↑
駐車場に止まっていた車は釣り人たちのものだったのか(^^)

戻りは昭和二十二年建設の二本目の水道を抜けた↑

この水道はもっと知られてよい。
近代の人々が治水にどれだけの執念をもってとりくんでいたかを、はっきりと感じさせてくれる。

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↑「黒田観音」は十軒の程の集落が交代で管理しておられるので事前にお願いしないと拝観できない。

厨子が開かれると…

二メートル近い巨大で見事な観音様が現れる↑※絵葉書より
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↑宿に入る前に尾上公民館にある「湖底遺跡博物館」を訪れる
※下見の時のブログにリンクします

同じ集落にある、湖に面した「紅鮎」にチェックイン

湖に向かう椅子が快適↑

↑この宿を選んだのは各部屋にこぶりながら半露天風呂があること
※こちらに書きました





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