旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

信州、別所温泉の北向き観音

2022-02-03 07:13:06 | 国内
弘化四年(1847)3月25日午後八時半、善光寺を襲った大地震↑燃える家と押しつぶされる人々を振り返りながら、観音様の光に守られ逃れる市之助↑懐に手をやると、そこには真っ二つに裂けた北向き観音のお札があった。

善光寺に詣でたらこちらにも来ないと「片詣り」になると言い伝わる。
尾州知多郡(ちたごおり)新田から善光寺詣りにやってきた市之助一行だったが、彼だけ別行動して北向き観音にも詣でていた。一人助かったことを感謝してこの絵馬を奉納したのである。


様々な絵馬がそのご利益に感謝している↑こちらは蚕の繭でつくられた絵馬↑
北向き観音とは、善光寺の観音様と向かい合うために北を向いて祀られている。

養蚕業が盛んだった時代↑製糸所で働く女工たちが職場の温泉旅行で訪れて奉納していたモノ↑これは何?
↑これは着物の下に入れて腰を強調する「衽(おくみ)のつま」というものだそうな。
針仕事が上手になるのを願って奉納と解説されていた↑

↑こちらは明治時代に名倉の農家で見つかった古銭でつくられた龍の絵馬↑

由来を説明してあるものはそれほど多くないが、それぞれ個人的な感謝が綴られている。

この地方に伝わる鬼女退治の伝説↓

↓「札所観音堂」格子を覗くとたくさんの木像が並んでいる↓

享保年間に篤志家が秩父観音めぐりをした後にその三十四カ所を表す像を寄進したという。
その時のお堂は失われ、近年あらたにこの建物が建てられたと解説されていた。

↑この仁王像ももとは山門にあった↑
こういった「もともとの場所」を失った像は多い。

手水が湯気をたてている↑温泉!これがあったからここに人が集まった。
世界中どこでも、宗教の聖地になっている温泉は多い。



北向き観音へ続く参道はこの階段を降りてゆく。

小川を超える短いこの参道、良い感じです(^^)

↑味噌飴はおいしかった。「美味棒」ってどんなのかしらん。

信州は蕎麦屋がたくさんで迷う。

あたりをつけて入ったら「なかなか良い味」と、連れて行ってくださった蕎麦好きさんコメント。

2010年の地元の新聞記事があった。
あ、ご本人だ(^^)
三十年趣味で蕎麦打ちを続けてきて、ついに六十一歳でお店を持ったと書かれていた。

タチアカネという蕎麦の種類にこだわっている↑
出身の青木村で、他の種類との混合を避けるために標高の高い元牧場の敷地で栽培しているものを使っているのだそうだ。

↑別所温泉は昔ながらの外湯めぐりも三か所ある。
「別所」の名前は、鎌倉時代の北条氏が湯治のための別の館を持っていたことからきたそうな。
それ以前の平安時代からの名前は「七苦離の湯」=七つの苦しみから離れる湯。
伝説では日本武尊(やまとたけるのみこと)が戦の傷を癒したのだそうだ。
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秋になったらこの電車に乗って

国宝の三重塔を見て別所温泉に泊まる旅を実現したい(^^)
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