旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

歴史ある町トゥーン

2017-07-11 15:52:35 | スイス

 

トゥーンは古代からの要衝。旧市街を見下ろす14世紀からの城が残る↓

同名のトゥーン湖の西の端に位置している。インターラーケンと逆側になる。下の地図で右下の端っこ↓パッケージツアーがよく滞在するインターラーケンはその名前のとおり二つの湖の間。アイガー、メンヒ、ユングフラウのそびえる方向へ上がっていったグリンデルワルドほど便利ではないが、スイスの地方都市らしい落ち着きが好ましいので、今回はこの町に連泊する日程にした。

この町には知るべき歴史と、歩くべき旧市街があるのだ↓ベルンに似た二段になった旧市街の歩道↓

ぱっと写真だけ見せたら「ベルン?」と言われそう↓

それもそのはず、この町の基本形は、ベルンをつくったのと同じツェーリンゲン家によってなされたものだった。ベルンは同じアーレ川の下流に位置しているのである。川に挟まれた蛇行した旧市街という形も似ている。それは、城の塔から見下ろすと、「あ、そうか」と、得心できる↓

厚い城の石壁は中世の雰囲気。塔の上は獄舎であったこともある↓

ツェーリンゲン家の紋章が、市庁舎近くの石畳に描かれていた(もちろんこれは近年のものであります)↓

市庁舎前の広場↓

スイスの町には旗が多い。おなじみのスイス国旗と共に黄色地に黒熊のベルン※前出の旧市街の通りの写真に載っています

そして、ベルン州トゥーンの紋章は、赤地に斜めの白ベンドそこに黄色の★星。博物館となっている城に展示されていた18世紀末の紋章↓

↑中央部分がはがされているのはなぜ? ナポレオンが占領した際、「ヘルベチア共和国(1798-1803の五年間だけ存在した)」を設立し、このトゥーンは無理につくられたオーバーラント州の州都にされた。その時ベルンの紋章は消された跡である。

トゥーン湖から流れ出すアーレ川にかかる屋根付の橋は、水門の役割をしている↓

水の色は不思議なほどのエメラルドグリーン。そこに泳ぐおおきな鱒↓

 

旧市街から城へのぼってゆく階段↓

途中から分かれて、右が教会方面へ↓ロマネスク起源という教会、次回は見学したい…↓

そのまま上がってゆくと城↓

中庭に入ると、さっきの中央塔が見上げる高さで聳えていた↓

入場は、今回「スイス・パス」を使って無料(^.^)

この城は1180年から90年に、ツェーリンゲン家のベルトルド五世によって建設されたのが始まりとされる。

★ちょっと歴史の話⇒ツェーリンゲン家はこのベルトルド五世で最後。1218年後嗣なく没しすると、妹のアンナが嫁いでいたキーブルグ家(北スイスから南ドイツに領土を持っていた)のウルリッヒ三世が領土を継承。そのキーブルグ家もハルトマン四世が後嗣なく、妹のハイルウィヒがルドルフ・フォン・ハプスブルグ(ハプスブルグ家最初の神聖ローマ皇帝)の母だったので、領土はハプスブルグ家のものとなった。

ベルンのほうは帝国自由都市となり、半ば独立。1353年にスイス同盟に加入する。1384年に借金のカタにトゥーンの町を手に入れたのである。

○城の中の展示で、ツェーリンゲン家時代からの町の発展を視覚的に理解させてくれてる↓

ベルン州の紋章↓1696年と刻まれている

展示されていた双頭の鷲紋章は、1450年ごろ教会の天井ヴォールトのキーストーンだったもの↓

ここで双頭の鷲はハプスブルグ家ではなく、神聖ローマ帝国の紋章としてのものである。ベルンは1648年に三十年戦争が終わるまで神聖ローマ帝国の一都市でもあった。

○古代の展示もある。これは紀元後二世紀ローマ時代のマイル・ストーン

Aventicum(=Avenches現在のヴォー州)から7レグアス(15.5㎞)と読める↑

★このアヴァンシュという町、2012年秋「黄金色スイス」で行ったことがあった。ローマらしい円形劇場の写真も、こちらの写真日記からごらんいただけます

ナポレオン戦争後、現代にいたるまで、トゥーンにはスイス最大の駐屯基地があり、士官学校も置かれている↓

19世紀、アルプス観光の拠点となっていった時代の解説もある。町の産業として陶器産業がはじまり、最盛期には50もの製造所があった。1870年には「トゥーンのマヨルカ焼き」として出品していた↓

これは、お土産屋さん!

このお城見学で、トゥーンの事がよっく理解できました↓

眼下に市庁舎の広場↓と、アーレ川

***ホテルに戻って休憩 ホテルのすぐ前↓

夕食、観光にはインターラーケンほどは力がはいっていないので、チーズ料理もなかなか発見できず、イタリアンにいたしました↓

おいしいのがいちばん(^.^)

明日は、ユングフラウエリアの観光。定番にとらわれず、行く場所をえらぼう。

お天気だけ、願います。


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《手造の旅》スイス2017 五日目、火山のようなマッターホルン

2017-07-11 11:51:55 | スイス

夜明け前の四時過ぎ、ベランダに出る。マッターホルンからたなびく雲から明るい満月が夜空を照らしていた↓

願ったような晴れではないけれど、刻々と近づく朝の予兆を飽きずに眺めている。雲は変わらず峰にとどまっているけれど、やがて、ここからは見えない太陽が雲を照らしはじめた。

おお、まるでマッターホルンが雲の火を噴いているようだ↓

一階下のテラスを見ると、みんな同じように変容するマッターホルンにみとれている↓

なんせ、部屋のベッドからいつでもマッターホルンの様子が見えるのだから、これ以上のスイスの夜明けはない↓

七時になって皆朝食のテーブルに集まる。時々窓から見上げる峰にはずっと雲がひっかかっていた↓

ところが、八時を過ぎて陽射しがつよくなりはじめると、いっきに青空になった↓どんどん空が高くなってゆく。

二日間、雨の夕方を見慣れてきただけに、今朝の変容は値千金。七人全員、マッターホルンをバックに記念写真(^.^)

ゆっくり過ごす朝、大事ですね(^.^)

09:32リッフェルアルプ発の列車でツェルマットに降りる。

ツェルマット駅からティーシュまで一般列車に乗り

そこで、今回の旅ではじめてチャーターバスに乗り込んだ↓

バスごと列車に乗ってトンネルを抜け、13時半ごろには今日宿泊のトゥーンに到着予定である。


 

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《手造の旅》スイス2017 四日目、ツェルマットエリア観光

2017-07-10 17:22:17 | スイス

リッフェルアルプホテルより、朝六時過ぎ。マッターホルンは半分以上雲の中↓ツェルマットからも当然見えないだろう

だが、ゴールナーグラート鉄道の終点展望台からのライブカメラには、朝日に輝く雪山が映し出されていた↓

雲はかかっているが、これならば行く価値があるだろう。朝食の席で皆さんと相談

余談※パッションフルーツもおいしくて、昨年イグアスで食べたのを思い出した

08:15リッフェルアルプ駅発の列車に乗ることにした

ホテルを出発した時の空↓

 思ったよりも空いていた車内

ゴールナーグラート展望台に到着

青空と氷河とシュタインボック↓

↓左がアルプス第二の高峰・複合峰モンテローザのデュフール峰4634m 氷河を挟んで一見こちらの方が高そうに見えるのがリスカム峰4527m↓

マッターホルンはなかなか全貌をあらわしてくれない

 

下り電車に乗る。途中の一般的なハイキング道のところは雲が出ていたので歩かない。きのうの夕方の雨もあって道の状態もよくないだろうと推察。そのままツェルマットまで降りた↓

  

ツェルマットエリアで一番高い展望台であるクライネ・マッターホルンへ登ることにする。このゴンドラでトロケナシュティークまでいっきに上がれる↓

乗り換えて、クライネマッターホルン展望台3883mに近づくと、雲の上の青空が見えてきた↓

降りて、イタリア側のスキー場へ出てみる

エレベーターで屋外の展望台へ出ると↓

下り乗換 ツェルマットへ 

アルプス博物館もスイスパスで無料↓

ここの展示でいちばんの見ものは、1865年マッターホルン初登頂の時の「切れたザイル」↓

山で野生のものはなかなか見られないエーデルワイス。ツェルマットの花屋の鉢にはありました

16時過ぎ、ゴールナーグラート鉄道に乗って標高2222mのリッフェルアルプへ戻る。

今晩のダイニング・・・左上の包み、茄子を主体につくられております↓とろっとおいしい(^_-)

  ワインは地元スイスはヴァリス州産のものを↓右の赤はホテルのライセンス生産であります↓

外はまた雨になった。明日の朝、晴れますように<(_ _)>

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《手造の旅》スイス2017 三日目、アレッチ氷河のパノラマを眺めながら歩いてからリッフェルアルプへ移動

2017-07-09 12:40:57 | スイス

リーダーアルプのホテルのベランダから、ミシャベル山群が見える。アルプス第三位の高さを誇るドーム峰(4,545m)がいちばん右、少し雲に隠れている↓あの山の東ふもとがサースフェー、西ふもとがツェルマットとなる。そのむこうはもうイタリア↓

今朝上がっていくのはこの逆側の尾根。08:30のいちばん早いゴンドラ待ちだが・・・雨が落ちてきてしまった↓

 でも、上の景色は行ってみなければわからない

尾根の駅を降りて数歩歩くと…おお~雄大なアレッチ氷河が見えている↓

幸い風がない。傘も閉じて歩ける程度の雨。雲はどんどん流れているから、少し待ってみよう。氷河に向かって右に見える尾根にベットマーアルプからのぼってくる別のゴンドラが見える。あそこまでは行けなくても、途中まで平たんな部分だけ歩いてみようじゃありませんか。昼食の時間や場所を決めていないからこそこういう動きが可能になる。

標識はしっかりしている↓

これは、「べんけい草」だと、以前おしえてもらったのを覚えていた。しらべてみると、

ラテン語名⇒セムペルウィウム・アラクノイデウム Sempervivum arachnoideum
(ベンケイソウ科 クモノスバンダイソウ属)

同じ種類でもけっこう形状が違うと知った↓

植物にそれほど興味があるわけでもないが、きれいな花がたくさんみられる↓

そうこうしているうちに、アレッチ氷河がより雄大に見えてきた↓

 行き合ったフランス語のグループが、氷河の近くへの急斜面を降りてゆく↓

あっという間にあんなところまで・・・↓

クレバスがめきめき割れている

晴れてきて、我々も楽しいハイキング↓

トレイルはいくつもあるが、急斜面の多くが今回クローズしていた↓真新しい通行止め看板↓

気付けば一時間半もアレッチ氷河を楽しんだ。そろそろリーダーアルプへ降りよう↓

 リーダーアルプのホテルに預けてある荷物をとりにいこうとしていたら、ホテルのスタッフが声をかけてくれた

「荷物、ゴンドラの駅にもってきてください(^.^)」快く引き受けてくれた。

谷に降りるゴンドラに乗ると↓

けっこうな雨がふりはじめた↓

急いで駅へ歩き、ツェルマットへの電車に乗り継ぐ↓

二時間弱の乗車でツェルマット駅到着。駅前からマッターホルンのある方向を見るが、完全に雲の中だ↓

駅前のスーパーで平たい桃を買って↓

ホテルのポーターさんが積んでくれた我々のスーツケースと共に、ゴールナーグラート鉄道に乗る↓

十五分ぐらいでリッフェルアルプ駅に到着。ホテル専用のミニ列車がお迎え↓

 ホテルの前からも、マッターホルンは先端を雲に隠されている↓

標高2222メートルのリッフェルアルプ・リゾート・ホテル。マッターホルンが見える部屋に連泊するのが、今回の旅のこだわり。

ダイニングもすばらしいのです。今晩はゆっくりして、明日の朝を楽しみにしましょ(^.^)

   

 

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《手造の旅》スイス2017 二日目、ピラトゥス山頂を歩いてからリーダーアルプへ

2017-07-08 13:47:02 | スイス
ピラトゥス山のシンボルはドラゴン。
15世紀に石を落としていった伝説があるから。


朝8時、ルツェルン駅の事務所でスーツケースを送る。明日の午後ツェルマット駅で受けとるまで、一泊分の荷物だけで楽に動けるようになる↓



駅からバスに乗ってピラトゥス山観光のゴンドラ乗り場クリエンスへ向かう↓



ゴンドラに乗る前からピラトゥスの山頂がきれいに見えている!わくわく↓



日本語の案内もあります↓




途中駅で乗り換え、土曜日でホルンの演奏もやってます




さらにあがると


フィアヴァルトシュテッテ湖の複雑な形がきれいに見晴らせた↓



山頂の駅にあるロッカーに荷物を置いていよいよピラトゥス山頂へちょっとハイキング!この標識の示す2132mは、駅から一時間ほど絶景の道を歩いた先にあるトリムス・クルムであります


1890年開業の「ピラトゥス・クルム・ホテル」の前を通って↓



 



山頂を構成する三つの頂上のうち一番高いトリムスホルン(2131m)まで(比較的)楽に歩ける道がある。




振り返ると、世界で一番急勾配の列車がのぼってきているのが見えた。



いくつか角を曲がる度に足元がわるくなって、さいごにはこんな感じの道↓




全員到着~(^.^) なんか食べていると鳥がやってきます


下り道、より慎重にいきましょ↓




さっき見た世界一急勾配の登山電車で、登ってきたのとは逆のアルペナハシュタッドへ降りる↓登り電車を待つ人々↓





この駅から列車を五本乗り継いで行く。スイスは列車運行がしっかりしているし、遅れている時にはしっかりアナウンスもあり、乗継調整もされるのでこういう旅が出来る。まずはローカル線↓



車内には自転車をこんなふうに持って入れるスペースもある↓



乗継表示版も車内にある。サルネンでインターラーケン・オスト駅行に乗り換えましょう↓



ピラトゥス山頂とはうってかわって暑くてたまらない。乗継の合間にみんなでアイスいただきました。


次の列車は、また別の湖の横をとおる。ブリエンツ湖が終わるとインターラーケン。その名のとおり「湖の間」にある街↓



インターラーケンから、トゥーン湖に面したシュピーツでまた乗換。列車を降りる時大雨が降っていたが屋根がある駅でよかった。


シュピーツから長いトンネルを抜けてヴァリスの谷へ出る。有名な「氷河特急」が走る線である。ブリーク駅で乗換↓



乗継時間は十二分、17:23発↓



番線は・・・「11番線」とあるのだが、ブリークの駅構内にはこの番線が見当たらない。いったいどこに??


と、そこで思い出したのは、氷河特急の線路は私鉄をつなげてつくられたという話。つまり、これから乗る線路は今いる駅舎が出来た後から引かれたもの。駅舎の外に乗り場があるはずと外へ出る・・・ありました!11番線↓


右の建物が駅舎↓黄色いポストバスも出ている↓



今日の我々はここブリークからさらに十分乗ってモーレル駅で降りる。そこで山の中腹まで登るゴンドラに乗り換え、宿泊するリーダーアルプに至る↓


下の地図がこの付近を俯瞰したもの↓これを見ると、「氷河特急」は谷底を走っており、そのはるか上にアレッチ氷河が流れているのが分かる↓リーダーアルプはその途中に位置している↓



谷底からたくさんのゴンドラやケーブルカーが山の中腹経由で尾根まで敷設されているのがわかる↑


我々が乗った左下のモーレルからリーダーアルプへのゴンドラ↓



上がってくると、谷底からは見えなかったアルプスの峰がうかびあがってきた↓



「氷河特急」で通り過ぎてしまうにはあまりの惜しい景観。明日、さらに上まで行ってみましょ(^.^)


ゴンドラ駅から徒歩十分で、アート・フューラー・ホテルに到着↓



 

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