僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

関が原(司馬遼太郎)

2019年04月02日 | よむ

読み物として面白さ第一とした

若かりし頃の長編。

「以下余談ながら」がほとんど見られず

晩年の「司馬らしさ」はほとんどない。

剣客ものから

司馬史観への過渡期ともいえる。

慶長の役の翌年秀吉が没し

天下取りに向けた

家康の遠謀深慮と

秩序維持に奔走する三成との戦いが始まる。

中でも愁眉たるは

なんて爽やかな!

なんて爽やかなその幕引き!

家康の腹芸に当てられ

食傷気味になったところへ

風のような如水を登場させるとは・・・

関が原を魑魅魍魎の政治世界になぞらえた

高坂正堯のあとがきも面白かった。