管理人、といってもぼくのことではありません。9月に着任した、今住んでいる寮の管理人さんのことです。
今度の管理人さん、退職前は自衛官だったとのことで、最初に話を聞いたとき、屈強で強面なイメージを勝手に作っていた。しかし、10月に入って戻ってきてから最初に挨拶したとき、非常に物腰低く、傍目にはとても元自衛官という風には見えなかった。自衛隊の基地などで食事を作っていた方なのかと思っていた。昨日、管理人さんを交えて寮内の懇親会が開かれた。その席で、ビールを注ぎに回っていた管理人さんとお話しする機会を得たのだが、聞いているうちにだんだん自分の意識が変わってきた・・・。
Wさん(管理人さんの名字)は今年自衛隊を退職したのだが、在職中は大砲を扱う砲手だったという。また、小部隊を指揮する立場にもあったそうだ。そして何よりもスゴイと思ったのは、昨年、新潟県で大地震があった際、新潟県からの出動要請が出る前に、自らヘリコプターに乗って部隊を指揮し、地震の翌日にはあの山古志村へ現地入りし、様々な救助活動の指揮をとっていた。そして、TVでも取り上げられた、国道にて母子の乗った車が崖崩落に巻き込まれ、難航した救助活動の末、3日後に幼い男の子が救出され、日本中の感動を呼んだ事件にも関係していたというのだ。残念ながら母親と姉は帰らぬ人となってしまったが、Wさんはそのことについて、「もっと早く駆けつけていれば」と悔やんでいた。
そして、Wさんは最後にこんなことを言っていた。
「今私がこうしてこの会社で皆様の為に仕事できるのは、ひとえに国民の皆様が一生懸命仕事しているからであり、そしてそのことが、私の働きがいでもあるのです」さすが、元自衛官らしい言葉だと思った。
ぼくの今やっている仕事が国のためになっているのかはまったくわからない。非常に微々たるものと思っている。しかし、自分自身、いや、国民の一人ひとりが何らかの形で社会に貢献しているからこそ、私達(自衛隊)も命を張って頑張らなければならないという管理人さんの言葉には、非常に心を打たれた。
そういえば、まだ今の管理人さんの食事をまだ食べていない。非常に評判らしいので、こんど食べてみよう。