ここ最近、実験室に籠もり、半田ゴテを持って回路を作る仕事しております。電子回路設計を生業としている私としては、このときが一番しっくりとします。本当に時間の経つのが早いと感じることさえあります。
ところで、最近の回路屋の世界では、パソコンのシミュレーションで簡単に回路を作ってしまうらしい。素子の特性なども予めプログラムの中に入っており、CAD感覚で作成した回路の性能を評価するところまでできてしまうらしい。どちらかというとアナログ派のぼくには非常に驚きだ。しかしその反面、半田ゴテを使わない、あるいは使ったことのない人が増えているという話も聞く。何年か前、学卒で入社した後輩(電子科卒)が学校で半田を全く使っていないと聞き、驚いたことがあった。専攻の違いという理由もあるのだが、電気科の学生が学校で半田ゴテを使わないというのも少し考えものだろうと思う。彼に対しては、新人教育の一環としてしばらくの間、回路を作らせながら付きっきりで半田ゴテの使い方を教えたものだ。
とはいうものの、ぼくも実に2年ぶりに半田ゴテを使って、腕がちょっとだけ鈍っていた(今は大丈夫ですけど)しかしこういう仕事ができることは、回路屋冥利に尽きる、といったら大袈裟かな。