手足が不自由なため電動車いすを使う香川県の中学3年の男子生徒が、志望した複数の私立高から設備面などを理由に入学を断られ受験を断念していたことが3月29日、分かった。
保護者は中学校長を通じて受け入れの可否を問い合わせたが、高校から面談の提案や直接説明を受ける機会はなかった。
学校側の対応は障害者差別解消法の趣旨に反する可能性がある。
昨年4月施行の改正障害者差別解消法は、私立学校を含む全ての事業者に対し、ルールの柔軟な変更など「合理的な配慮」を義務付けた。
文部科学省は対応指針で、代替措置などの解決策を検討するため、当事者と話し合う「建設的対話」を求めている。
文科省はこの生徒の事案を把握していないとしながら、取材に「何が必要な合理的配慮かは学校との対話で決めるものであり、当然直接意見を聞く場を設けるのが望ましい」としている。
複数の高校が取材に「問い合わせは受けたが、入学の打診があったとは認識していない」としており、生徒の進学希望が十分に伝わっていなかった恐れがある。
保護者は「私立でも受け入れてもらえると思ったのに残念だ。 対話で解決策を探ることが可能だとは知らなかった」と話しており、改正法や指針の趣旨が浸透していない実態が明らかになった。
生徒は公立高を第1志望に変え、今月合格した。
保護者や中学校によると、昨年夏、中学校長が県内の複数の私立高に生徒の進学意向を伝え、設備や人的態勢から見た受け入れ可否を尋ねた。
いずれも、エレベーターがないことや支援員の予算確保が困難などの理由で「入学は難しい」と回答。
高校と生徒側が直接面談する機会はなかった。
文科省指針は車いすを使う生徒への合理的配慮の例として、(1)授業で使用する教室をアクセスしやすい場所に変更する、(2)段差に携帯スロープを渡すなどを列挙。
支援が必姜な生徒への対応を検討するため、校内に委員会を設けることも求めている。