文部科学省は3月28日、2024年度から小学校で使用される教科書の検定結果を公表した。
合格した11教科149点全てにQRコードが記載され、デジタル対応が進展。
現在の学習指導要領を反映した2回目の検定で、全教科の平均ページ数は2020年度から使用されている現行版より2%増えた。
自ら問いを立て、討論や探究活動で理解を深める要素も重視された。
文科省は2024年度から5、6年の英語でデジタル教科書を先行導入すると決めており、出居社はQRコードを通じて音声や動画を視聴する教材を充実させて対応した。
デジタル化で子どもの学びにどのような課題が生じるのか丁寧な検証が求められそうだ。
接続先の教材は検定対象外。
現行版のQRコード記載は11教科で95%ほどだった。
英語では現行版も全てに載っていたが、見開き2ページに一つの割合に増やしたケースが目立ち、ネーティグの発音が確認しやすくなる。
現在の指導要領は「主体的・対話的で深い学び」を掲げ、基礎知識を活用した話し合いなどを重視。
大多数の教科書がこの手法を取り入れ、間違った意見を紹介した上でなぜ誤っているのか考える実践も見られた。
平均ページ数は現行版がそれ以前より1割増えていたが、今回はさらに増加。
文科省によると、記録のある過去24年間で最も多い。
検定意見は1点当たり平均14・4件で、現行版より減った。
新型コロナウイルスの注意点や差別防止の記述が登場。
性的少数者に配慮し、スカート姿の女児のイラストを減らし、「心の性」の説明もあった。
英語の単語数は5、6年合計で800を超える教科書があり、全体的に現行版より増えた。
5年社会は3点全てが北方領土、竹島、尖閣諸島を「固有の領土」と明記し、日本政府の見解を反映した。
韓国外務省は3月28日、領土や歴史の記述に問題があるとして「深い遺憾」を表明した。
検定の際に教科書は「点」で数え、上下巻は2冊で1点となる。
文科省は、高校の主に3年向けの検定結果も公表し、76点が合格して1点が不合格だった。