米軍普天間飛行場の移設先、名護市辺野古沿岸部の埋め立て予定海域の一部で、約70メートルより深い海底の地盤が「軟弱」である可能性を示すデータが存在した問題で、独自に検証している専門家チームがこのデータを基に護岸の安定性を試算したところ、最悪の場合、崩壊する恐れがある結果が出たことが2月16日、分かった。
チームは、立石新潟大名誉教授を代表とする地質や地盤の専門家ら約10人で構成。
約70メートルより深い海底が軟弱である可能性を示すデータが出たのは「B27」と呼ばれる地点で、国はこの付近で「CI」護岸を造成する計画だ。
立石氏によると、データをそのまま適用して試算した結果、国土交通省の定める港湾施設の基準を満たさない数値が出た上、CIが重みで崩壊する可能性があるという。
防衛省は来月にも県に設計変更を申請する方針だ。
データについて、これまでに「民間の委託業者が独断で行った。 方法も簡易なもので、信頼に催しない」と説明している。
過去の調査結果を踏まえ、約70メートルより深い海底の地盤は安定しており、約70メートルまでの軟弱な地盤に砂を締め固めたくいを打ち込むなどして強化すれば足りるとの立場だ。
立石氏は「防衛省はB27の調査をやり直した上で、データを公表するべきだ」と話している。