世界保健機関(WHO)は11月26日、南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株を、最も警戒レベルが高い「懸念される変異株(VOC)」に指定し、「オミクロン株」と命名した。
指定により世界的な警戒対象となり、監視態勢が強化される。
オミクロン株の確認により、欧米を中心にアフリカ南部からの渡航を制限する動きが拡大するなど各国は厳戒態勢に入った。
日本政府も水際対策強化の対象として、新たにザンビアなどアフリカ3力国を追加。
南アと近隣5力国を含めて計9力国となった。
オミクロン株には免疫を回避し、ワクチンの効果を低下させるとの懸念も出ている。
米モデルナやファイザーなどは相次いでワクチンの有効性を調べ、効かない場合は変異に対応した修正ワクチンの開発などを急ぐと表明した。
WHOは11月26日の専門家による協議で、オミクロン株について「数多くの変異が生じており、いくつかの変異は大変懸念されるものだ」と指摘。
現時点で判明している科学的根拠から「他のVOCと比較して、再感染の危険性が増していることを示している」とした。
従来のPCR検査で検出可能という。
VOCに指定されたのは現在、流行の主流となっているデルタ株とオミクロン株を含め5種。
日本の国立感染症研究所によると、感染に関わる「スパイクタンパク質」に32力所の変異が生じており「細胞への侵入しやすさに関連する可能性がある」として国でオミクロン株とみられる症例を確認したと明らかにした。
11月24日に南ア当局が初めてWHOに報告。
11月9日に採取した検体が初の確認例という。