全国の国公立私立小中学校で2021年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は24万4940人となり、2020年度より24・9%(4万8813人)増えて過去最多だったことが10月27日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。
初めて20万人を超え、増加割合も最も大きい。
小中高校などが認知したいじめは19・0%増の61万5351件で最多。
小中高生の自殺は47人減って368人となった。
文科省は、不登校急増の背景に新型コロナウイルスの影響がうかがえると分析。
「運動会や遠足といった学校活動が制限され登校意欲が下がったとの見方や、休校による生活リズムの乱れが戻らない事例の報告もあった」と説明した。
フリースクールなど学校以外の学びの場が選ばれやすくなったとの指摘もある。
小学生の不登校は8万1498人で全小学生の1・3%、中学生は16万3442人で5・0%を占めた。
約10年前と比べて小学生で4倍近く、中学生で2倍近く。
中学の「40人学級」なら1クラス2人が不登校の計算になる。
義務教育ではない高校は約5万人で、コロナ拡大前の水準だった。
学校が判断した小中学生の不登校理由は「無気力、不安」が最多の49・7%。
「生活リズムの乱れ」が11・7%、「いじめを除く友人関係」が9・7%と続いた。
新型コロナ感染の不安や感染回避を理由に30日以上休んだ小中高生は7万1704人で、不登校の人数には含まれない。
2020年度に大きく減少したいじめは、感染拡大前の2019年度並みに戻った。
学校種別で、小学校50万562件、中学9万7937件、高校1万4157件、特別支援学校2695件。
うち、スマートフォンなどによるネットいじめが過去最多の計2万1900件に上った。
文科省は、一斉休校があった2020年度は児童生徒の接触機会が減り、2021年度はほぼ例年並みの登校日数だったことがいじめの増減に影響したとみている。
いじめで身体的被害や長期欠席などが生じた「重大事態」も2020年度比191件増の705件。
児童生徒千人当たりの認知件数は47・7件。
都道府県別で最多の山形(126・4件)と最少の愛媛(12・8件)の間には約10倍の差があった。