米国に亡命した中国出身のウイルス研究者、閻麗夢博士が7月10日、米FOXニュースの取材に答え、新型コロナウイルスについて「中国はもちろん、世界保健機関(WHO)も感染初期の段階から『ヒトヒト感染』が起きていることを知っていた」と証言した。
閻博士は香港大学公衆衛生学院のウイルス研究者だったが、4月に「新型コロナの真実を明らかにする」という理由で米国に亡命した。
報道によれば、彼女は昨年12月31日、WHO顧問でもある上司から指示され、新型コロナの研究を始めた。
同日、中国の疾病予防管理センターの友人から「家族全員の感染を確認した。 ヒトヒト感染が起きている」と教えられ、上司に伝えたが「中国共産党のレッドラインを踏むな。 われわれが消される可能性がある」と警告された、という。
WHOは1月14日の声明で「ヒトヒト感染の証拠はない」と発表していたが、中国の国家衛生健康委員会が1月21日に事実を認めると、追従する形で翌22日、ヒトヒト感染を認めていた。
今回の証言に先立って、AP通信など一部のメディアは4月の段階で、中国の内部文書をもとに、「当局はヒトヒト感染を知っていた」と報じていた。
米下院外交委員会のマイケル・マッコール筆頭委員(共和党)が6月15日に発表した報告書は「WHOも知っていたのに、隠していた」と指摘している。
マッコール報告は、さらに衝撃的だった。
WHOは4月13日に開いた記者会見で、技術責任者であるマリア・ファン・カークホフ博士が「われわれは最初に報告を聞いた12月31日の時点で、もちろん、ヒトヒト感染があり得ると考えていた」と暴露したのだ。
それも当然と言わんばかりに、彼女は「自分は中東呼吸器症候群(MARS)とコロナウイルス、インフルエンザの専門家よ」と自慢げに語っている。
つまり、WHOは分かっていたのに、中国の言いなりになって、真実を否定し続けていたのである。
それが今回、閻博士の証言によって、完全に裏付けられた形だ。
百歩譲って、香港の上司がビビっていたのは仕方がない、としよう。
だが、公金で賄われているWHOがここまで腐敗していたとなると、ドナルド・トランプ政権が脱退するのも当然だろう。
AP通信によれば、米国の国土安全保障省(DHS)は、中国がヒトヒト感染を隠していた理由について「世界中でマスクなどの医療用品を買い占めるためだった」と分析している。
真実を公表したら「買い占めが難しくなって、国内の感染が悪化する」とみていたのだ。
閻博士の亡命後、家族は公安当局から嫌がらせを受けた、という。これがまさに「中国という国」の実態なのだ。
残念ながら、政府も多くのメディアもいまだに中国とWHOに及び腰と言わざるを得ない。
その間に世界中でマスクなど医療用品買い占め、やりたい放題の中国。
彼らをやりたい放題にさせていいのか。