安首相候補が5月28日、辞退した。
首相候補に指名されてから6日目だ。
36年の公職生活の間、「国民検事」と呼ばれた安候補は2013年7月、弁護士として開業した。
わずか10カ月間の弁護士生活が「前官礼遇」という批判を招き、不名誉な退陣につながった。
安候補は5月28日午後5時ごろ、昌成洞にあるソウル政府庁舎別館ロビーで予定になかった記者会見を開き、「前官礼遇をはじめ、いくつかの疑惑で国民の皆様を失望を与え、申し訳なく思う」とし「首相候補を辞退する」と述べた。
さらに「私を信じて首相候補に指名した大統領に迷惑をかけ、申し訳なく思う」と語った。
安候補はこの5カ月間、弁護士報酬として16億ウォン(約1億6000万円)を稼いだことが明らかになり、元最高裁判事の地位を利用して事件を引き受けたという疑惑が浮上し、前官礼遇という声が出ていた。
こうした批判が強まると、安候補は5月26日、市民団体に寄付した約4億ウォンを除いた残り11億ウォンを社会に還元すると明らかにした。
辞退の発表に先立ち、安候補は金大統領秘書室長に電話をかけてこれを伝えたと、閔青瓦台報道官が伝えた。
閔報道官は「安候補が『これ以上政府に迷惑をかけないよう辞退する』という意思を伝えてきた。 秘書室長を通じてこの内容を聞いた朴大統領は惜しんでいるようだったと、秘書室長が伝えた」と話した。
6月4日の地方選挙を1週間後に控えた時点で、安候補が辞退したことで、青瓦台は官僚改革など国家改造構想に支障が生じることになった。
また、国家情報院長、青瓦台国家安保室長の人選と、地方選挙を前後して順に続くと伝えられた内閣改造および青瓦台改編の時期と幅も影響を受けることになった。
新政治民主連合の韓報道官は「安候補が自ら首相に適した候補でないことを認めたのは幸い」としながらも「青瓦台人事検証システムの無能さを表しただけで、これ以上、金秘書室長のための人事はあってはならない」と述べた。