政府は6月11日、2023年度版の水産白書を閣議決定した。
漁業就業者の数が、2008年の約22万人から2022年には約12万人に減少したと指摘。
サンマやスルメイカの不漁により、2022年の漁業・養残業生産量は前年から24万トン減って392万トンとなった。
いずれも減少が続き「地域を支える漁村の活力が低下している」として、持続的な水産業の発展の重要性を訴えた。
特集として、海や漁村の地域資源の魅力を活用する「海業」を紹介。
新鮮な海産物の販売に加え、漁業体験や海上ツアといった消費者を引きつける多様な取り組みが必要だと指摘した。
政府は人材育成や施設の整備を支援しているという。
水産物の国内需給や消費動向のまとめでは、食用魚介類の1人当たりの年間消費量は2001年度の40・2キロをピークに2022年度には22キロにまで落ち込んだ。
購入しない理由としては「肉類を家族が求める」「調理が面倒」などが多かった。
2022年度の魚介類の自給率は前年度から3ポイント減り56%だった。
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴う影響にも言及。
2023年の中国への水産物輸出額は前年比で約30%減少し、輸出先の多角化が必要だと強調した。